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粛正された北朝鮮No2チャン・ソンテク氏の連行場面は、わざわざ撮影された?

 

 北朝鮮のナンバー2であった張成沢(チャンソンテク)国防委員会副委員長が粛正された件で、朝鮮中央テレビは2013年12月9日、朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議において、解任された張氏が会場から連行される場面を放映した。北朝鮮が政権幹部の連行場面を公開するのは、初めてのことであり、張氏の粛清をあえて内外に示すことで、内部体制の引き締めを図っている様子がうかがえる。

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 放映された映像の真偽は定かではないが、連行される場面を撮影するために、事前に逮捕しておいた張氏をわざわざ会議の場に出席させた可能性が韓国メディアで指摘されている。
 その最大の根拠となっているのが、連行時に張氏が座っていた席である。国防委員会副委員長という高位にあった張氏は、通常の政治局拡大会議では、雛壇の上に座ることになる。
 だが放映された場面では、張氏は傍聴席から保安部要員に抱えられ連行されている。雛壇の中央には金正恩(キムジョンウン)第1書記、崔竜海(チェリョンヘ)軍総政治局長や、金元弘(キムウォンホ ン)国家安全保衛部長らが列席している。粛正前にこうした傍聴席に張氏が座ることはあり得ないことから、事前逮捕説がささやかれているというわけだ。

 北朝鮮の内部で権力闘争が行われ政敵が排除される際、どのような状況になっているのかについてはほとんど情報がない。だが、かつて同様の凄惨な権力闘争が行われていた中国共産党の歴史から、ある程度の状況は推測することができる。
 中国共産党における最大の権力闘争のひとつであった文化大革命は、毛沢東氏の死後、夫人であった江青氏の逮捕で幕を閉じた。江青氏の逮捕は夜間に不意を突いて行われたといわれており、江青氏は逮捕時パジャマ姿だったという。
 毛沢東氏との権力闘争に破れた林彪氏は、自身の緊急逮捕を悟り、家族と側近だけで夜間に飛行機で中国を脱出したが、モンゴルの上空で墜落死している。今回の張氏の粛正も、ギリギリの権力闘争なのだとすると、夜間などに緊急逮捕が行われた可能性が高い。

 毛沢東氏の妻であった江青氏は逮捕後、裁判にかけられ死刑判決を受けたが、後に無期懲役に減刑されている。結局、江青氏は獄中で自殺したが、公式な処罰としては死刑ではない。一方、毛沢東氏と対立して失脚した劉少奇元国家主席は、毛沢東氏が派遣した実働部隊から数ヶ月にわたって凄惨な暴行を受け続け、治療も施されず衰弱死している。
 張氏は娘婿という立場ではあるが、やはり金正恩氏の親族であることを考えると、処刑という今回の措置はかなり厳しいものといってよいだろう。当局が体制の引き締めに神経質になっていることから、張氏は粛正されたものの、党内にかなりの勢力を持っていたことが分かる。

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