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2014年度の実質成長率見通しは1.3%に下落。その理由は消費増税ではない?

 

 政府の2014年度における経済成長見通しがほぼ固まった。物価変動の影響を除いた実質成長率はプラス1.3%、名目成長率はプラス3.3%とする。政府は8月に実質1.0%、名目3.1%の見通しを発表していたが、上方修正された。ただ2013年度は実質でプラス2.8%程度となる見込みであり、今年度と比較すると大きく落ち込むことになる。

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 政府は毎年年末に次年度の経済見通しを閣議了解し、この数字を元に次年度の税収見通しを立てている。
 2014年度の見通しが2013年度と比較して大きく落ち込むのは、消費税増税の影響が大きいとからとされている。確かに消費税が増税されると、その前に駆け込み需要が発生し、その反動で一時的に消費が落ち込むことになる。
 だがもう少し長い目でみれば、増税分は政府支出して還元されるので、全体としては大きなマイナスにはならない。

 来年以降、成長率が下落する最大の理由は公共事業の減額である。2013年度の成長率が高かったのは、年初に10兆円もの補正予算を成立させ、大量の公共事業を発注したからである。これは消費税増税の根拠になる4~6月期のGDPを上昇させ、世論を増税容認にもっていくための一種の演出である。
 政府は2013年12月5日、消費増税をにらんだ5.5兆円の経済対策を発表したが、これは前回の10兆円と比較すると半分の規模となっている。5.5兆円は現在のGDPの約1%なので、これがなくなれば、GDPは1%分減少することになる。さらに増税の反動分などを差し引くと2014年度の成長は抑制されるという計算だ。

 要するに日本経済は完全に公共事業の規模に依存する体質になってしまっているわけだが、財務省としては財政再建を最優先させたいというのがホンネである。だが消費税10%の増税が実現できなければ、そもそもの前提条件が崩れてしまう。2014年度は1.0%程度の成長を維持し、何とか消費税10%増税に持っていくためのギリギリの数字が5.5兆円の景気対策だったということになる。

 補正予算で足りない分は、2014年度の当初予算でカバーすることになる。概算要求段階で99兆円に達していた2014年度予算案は、約3兆円減の96兆円程度で妥結する可能性が高くなってきている。2013年度の政府支出は当初予算93兆円に補正予算10兆円で合計103兆円であった。2014年度は当初予算96兆円に補正予算5.5兆円で合計すると約102兆円ということになる。

 2014年度予算がこの金額で決定されれば、政府支出総額は昨年度とほぼ同じ水準となり、結局は横ばいということになる。公共事業への依存度が高くなっている状態では、政府支出が横ばいになると、経済成長も同じく横ばいになってしまうのだ。

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