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政府がとうとうデフレの表現を削除。だが実態は輸入価格上昇によるインフレ

 

 政府は2013年12月24日の月例経済報告において「デフレ」の表現を削除する。デフレの表現がなくなるのは 「緩やかなデフレ状況にある」とした2009年11月以来、4年2カ月ぶりのことになる。消費者物価指数の上昇が続いていることがその根拠だが、現在の物価上昇は単なる輸入価格上昇によるインフレという見方もあり、日本が本当の意味でデフレを脱却したのかは疑問の余地が残る。

 dentaku 日本経済が低迷しているのはデフレが主な原因であるというのがこれまでの通説であった。
 実際、安倍政権はデフレ脱却を目的に、日銀に量的緩和策の実施を促し、日銀はこれを受けて大量の国債買い入れを行ってきた。日銀はすでに70兆円近くの資金を市場に供給している。

 日銀の量的緩和策は大きく分けて二つの効果が期待されている。ひとつは資産効果であり、もうひとつは設備投資の拡大である。
 日銀が大量の資金を市場に供給すれば、名目上の物価が上昇するという期待(インフレ期待)が生まれ、株価や不動産など資産価格の上昇が見込まれる。資産価格が上昇し、その利益の一部が消費に回れば実質ベースでも消費が増え、経済成長を実現することができる。また実質金利が低下することになるので、資金が借りやすくなり、設備投資の活性化も期待されることになる。

 資産価格の上昇は、量的緩和に対して市場が即座に反応したことで、短期間で実現することになった。だが日本の場合、中間層以下はほとんど株式を保有していないので資産効果は富裕層だけに限られる。このため資産価格の上昇によってGDPが成長する効果はあまり期待できないというのが現実だ。
 日本において量的緩和策に意味があるとすると、やはりそれは実質金利の低下による設備投資の拡大というプロセスであろう。だが肝心のこの部分については、目立った効果はまだ出ていない。

 実質金利が低下しているにもかかわらず企業の設備投資が伸びないのは、企業が日本経済の実質的な成長を見込んでいないからである。確かに消費者物価指数は上昇しているが、それは円安による輸入価格の上昇が原因であり、自律的な回復によるインフレではない可能性が高い。

 総務省が発表した10月の消費者物価指数では、代表的な指標である「生鮮食品を除く総合」が前年同月比でプラス0.9%となり6カ月連続で上昇した。また「食料及びエネルギーを除く総合(コアコア指数)」についても、前年同月比0.3%と上昇に転じている。
 今年1月から10月までの間で値上がり率が最も高かったのは、電気代(約10%)、履物(約6.7%)、ガス代(約4.3%)、旅行など(約4.2%)など、すべて円安による輸入価格上昇の影響が大きいものばかりである。つまり円安による輸入物価上昇がデフレ脱却のきっかけであり、コアコア指数も上昇に転じたことは、コスト上昇が他の物品にも波及し始めたことを示している。

 これまで日本経済は長期間デフレが続いたため、政治家も含め、多くの国民がインフレ時代の弊害をすっかり忘れ去ってしまっている。ひとたびインフレが始まれば消費者の生活を直撃することになり、国民からの批判はデフレ時代の比ではなくなる可能性が高い。
 このまま実質的な成長を伴わず、名目上のインフレが加速することになれば、メディアに「インフレが日本経済停滞の元凶!」といった見出しが出てくるのも時間の問題である。

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