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グーグルが本格的にロボット市場に参入。ズバリ、その目的は軍事用途

 

 インターネット検索最大手の米グーグルがロボット事業を加速させている。同社は2013年12月、東京大学発のロボット開発ベンチャー企業シャフトなど7社を買収し、本格的にロボット事業に参入することを明らかにした。また16日には米国の軍用ロボット開発企業であるボストン・ダイナミックス社を買収すると発表している。

robot ロボットは次世代の産業として大きな注目を集めているが、ロボット産業のもっとも主要なマーケットは軍事用であることは周知の事実である。
 グーグルという巨大企業の本格的な参入で、技術開発が進展するという期待がある一方、次世代の軍事技術を同社が独占するのではないかとの懸念も出ている。

 買収されたボストン・ダイナミックスは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)発のベンチャー企業で、米軍や国防総省傘下の国防高等研究計画局と共同でロボット開発を行ってきた。4足歩行のロボットを得意としており、その目的はズバリ、ロボット兵器である(写真)。

 米軍は、現在無人機をはじめとするロボット兵器の開発に力を入れている。ロボットが機械的に相手の兵士を攻撃ということについて人道上の問題が指摘されているが、兵士を危険にさらすことなく任務を遂行できるロボット兵器へのニーズは極めて高いといわれる。
 ロボットは介護や災害現場での活躍が期待されているが、こうした用途は規模からすると大きな市場ではない。関係者は大きな声では言わないが、ロボット市場の最大の顧客は各国の軍であることは、周知の事実である。2足歩行や4足歩行のロボットは、軍における対人間の任務に最適であり、特に米軍はその開発にかなりの力を入れている。

 米軍は10年近く前から、民間技術の積極的な獲得に乗り出しており、IT(情報技術)と機械系技術という複数の技術を融合させる必要があるロボットはその中心となっている。グーグルはロボット・ビジネスの詳細を明らかにしていないが、国防総省との共同プロジェクトであることはほぼ間違いない。

 同社に買収された東大発のベンチャー企業シャフトは、12月20日に開催された米国のロボット競技会で優勝した。この競技会は災害現場の救援活動をするロボットの技術を競うものだが、主催しているのは、ほかならぬ米国防総省国防高等研究計画局である。その本当の目的は明らかだ。

 ロボット技術が、戦争という殺人技術に応用されることについて批判の声もある。だが新しい技術は常に軍事用に応用されるというのは歴史が証明しており、そのこと自体を批判しても問題の解決にはならない。また一部には、日本で開発された技術が、事実上、米軍に買収されてしまうという事態について、問題視する意見もある。
 だが現代においては、オープンな技術開発はもちろんのこと、企業の資金調達やM&Aという、自由で活発な資本市場の整備も、戦争遂行能力の一部となっている。つまり活発な金融市場を整備し、起業家に魅力的な環境を提供できない国は、戦争で勝つことができないのである。
 政府の規制が多く自由な企業活動が難しい日本では、こうした面で著しく劣勢に立たされていることは間違いない。今後もこうした事例は多発する可能性が高いだろう。

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