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靖国参拝に米国が異例の声明。国務省は議会やホワイトハウスをもはや説得できない?

 

 安倍首相は政権発足から1年となる2013年12月26日、靖国神社に参拝した。首相による靖国参拝は2006年8月15日の小泉純一郎首相以来、7年ぶりとなる。

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 中国や韓国は首相の靖国参拝について激しく非難しているが、両国のこれまでの対応を考えれば、一連の非難は想定の範囲内といえる。
 だが大きな驚きだったのは、米国大使館が靖国参拝に対して「失望している」という声明を発表したことである。
 米国が直接的に日本の内政に干渉するような声明を出すことは極めて異例のことであり、国務省を中心とする米国の外交当局が、議会やホワイトハウスを説得できなくなっている可能性が示唆される。

 これまで米国は日本に対する要望や意見は、非公式な形で伝達することがほとんどであった。それは国務省の担当者や国務省OBなどによる発言だったり、外交関係者の論文という形を取ることが多い。場合によっては有力紙の社説という場合もある。

 靖国参拝についても伏線はあった。当初、首相は8月の靖国参拝を予定していたが、米国からの要請でこれを断念したという経緯がある。かつて対日政策のキーマンといわれていた米国のアーミテージ元国務副長官は11月に来日し、自民党幹部に対して首相の靖国神社参拝を自重するよう促していた。
 アーミテージ氏のワシントンでの影響力はかなり低下しているといわれているが、国務省や米国大使館とはそれなりの情報交換を行っているはずである。今回の声明発表は、アーミテージ氏を通じた非公式の要請を安倍政権側が受け入れなかったことが原因である可能性は高い。

 米国が直接的な対応に転じた背景には、国務省の議会やホワイトハウスに対する配慮があると考えられる。どこの国もそうだが、外交当局は基本的に相手国の状況をまず考慮するものであり、国内からは「売国奴」と批判されることも多い。日本から見ると、中国の外交部(外務省)は敵意むき出しに感じられるが、中国国内では「外交部は日本のご機嫌取りばかりしている」と批判されているのが現実だ。こうした状況は米国の国務省も決して例外ではない。

 米国の政界では中国や韓国がかなりの資金を投入して反日的なロビー活動を展開している。実際、下院では、従軍慰安婦は性奴隷であるとする非難声明が可決されており、少なくない数の政治家がこれらのロビー活動の影響を受けていることが明らかになっている。
 場合によっては、国務省に対して日本への対応が甘すぎるという批判が出る可能性がある。これまで日本の国内事情をそれなりに考慮してきた同省だが、米国内の批判を意識してスタンスを変えたとしても不思議ではない。

 これは逆に考えれば、米国の政界は国務省がコントロールできないほどに、親中親韓になっているということであり、日本にとっては由々しき事態といえる。
 日本側は米国政府がこうした声明を発表するに至ったメカニズムを十分に検証する必要がある。少なくとも、国務省、議会、ホワイトハウス、メディアがそれぞれどのような状況となっているのか、詳しい分析が必要だろう。
 中韓のロビー活動に強く影響された議会だけの問題であれば、まだ解決の余地はある。だが、これがホワイトハウスと国務省の対日政策をめぐる対立ということになるとかなり厄介である。ホワイトハウスで政策立案の中核を担う若手スタッフに知日派はほとんどいないといわれている。事態は想像以上に深刻である可能性もある。

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