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絶好調な経済を背景に米国株への関心が高まる。だが本当に落とし穴はないのか?

 

 投資家の間で、米国株に対する関心が急速に高まっている。米FRB(連邦準備制度理事会)は好調な米国経済を背景にとうとう量的緩和の縮小開始を宣言した。市場では年内にダウ2万ドルという予想も出てきているほか、為替市場でもさらなる円安が予想されている。
 確かにダウ高値更新と円安が重なれば、日本の投資家にとっては極めて大きな利益となる。だが完全な楽観論が支配する市場には必ずといってよいほど、何らかの落とし穴がある。米国株への投資は本当に大丈夫なのだろうか?

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 投資に関する分析手法には大きく分けて二つの方法論がある。ひとつは経済指標や企業の財務諸表など、経済的、財務的要素から分析を行うファンダメンタル分析であり、もうひとつは過去の株価の値動きから将来の動きを予測するテクニカル分析である。

 ファンダメンタル分析は、数字を用いた定量的な分析ができるので、多くのファンドマネージャーやアナリストが採用している。だが市場の動きについてファンダメンタルな要因だけで100%説明することは難しい。
 テクニカル分析の有効性については否定的な見解も多いが、現実に相場を張る投資家でテクニカル分析を用いている人は多い。またどちらか一方ではなく、必要に応じて両方の手法を併用することもある。

 ファンダメンタルで見た場合の米国市場は絶好調である。米国の2013年7~9月期のGDPは年率換算で3.6%と非常に良好な結果となった。また2013年12月に発表された最新の雇用統計では、新規雇用者数の増加が好景気の目安である20万人を2カ月連続で超え、失業率も7.3%から7.0%に急低下した。

 良好な米国経済をさらに加速させているのが、シェールガス革命である。米国ではここ数年、安価なシェールガスの開発が進み、近い将来、消費するエネルギーのほとんどを自給できる見込みが立っている。世界最大のエネルギー消費国である米国においてエネルギー自給が可能となるインパクトは大きい。安価で安定したエネルギーを求めて、世界中の製造業がぞくぞくと米国に工場を移転している。
 また余剰の天然ガスを輸出する動きが進んでおり、これまで米国経済のアキレス腱であった経常赤字が急激に改善し始めている。税収の増加から政府の財政再建もほぼメドが立った。

 長期的に見ても、米国は人口の増加が見込まれており、経済が持続的に拡大することはほぼ確実な状況である。企業の業績も好調であり、このままの状態が続けば、確かにダウが2万ドルを超えても何ら不思議はない。

 一方でテクニカルという面では、米国株には黄色信号が灯っている。多くの指標が買われ過ぎのサインを示しているのだ。これは為替も同様であり、円安が加速したことから、現在の為替市場には、ドル買い円安のポジションが積み上がっている。何らかのショックをきっかけに米株が大きく下落する事態となれば、連鎖的に一気に円高に逆戻りする可能性もある。

 だが市場のプロであるファンドマネージャーの多くは、むしろ米株の買われ過ぎを前向きに評価している。中長期的に見て上昇が見込まれる相場において、買われ過ぎから下落する局面は、ある意味で絶好の「買い場」となるからだ。
 米国経済の先行きをポジティブに評価する人であれば、近い将来に起こるであろう、米国株の下落と円高への揺り戻しは大きな投資チャンスかもしれない。投資で成功しようと思えば、どこかでリスクを取らなければならないが、今回のタイミングはその有力候補の一つである可能性が高い。

 だが頭では分かっていても、実際に下落する局面で買いを入れるとなると、かなりの勇気が必要となる。多くの個人投資家がここで怖くなってしまい、購入をためらってしまう。仮に買ったとしても、さらに株価が下落すると含み損が発生し、その状況に耐えられず底値で売却してしまう。そして実際に株が上がり始めてから焦って再投資を行い、結果的に高値で買うハメになる。

 投資は自身を相手にした究極の心理ゲームでもある。メンタルな面に自信がない人は、やめておいた方が得策なのかもしれない。

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