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党大会目前でも権力闘争が終結せず。中国は不安定な状態が継続か?

 

 中国の政権交代を間近に控えているにも関わらず、権力闘争がさらに激しさを増している。

 このところ、中国共産党の公式声明分から毛沢東に関する記述が消される例が相次いでいる。あいまいな雰囲気で物事が伝わる日本とは異なり、中国は欧米と同様、徹底した文書主義の国。共産党の公式文書にどのような内容が記載されるのかは極めて重大な意味を持つ。

 これまで中国では絶対視されてきた毛沢東に関する記述が消される背景には、現在の指導部と対立している左派勢力に対する現指導部の攻勢がある。

 現指導部のトップである胡錦濤総書記は、共産主義青年団出身のいわば党における学歴エリート。これに対して現指導部に反発しているのは、太子党と呼ばれる中国共産党の初期メンバーの2世、3世を中心としたグループ。

 両者は次期政権のトップ人事をめぐって激しく対立している。次期共産党総書記に内定しているといわれる習近平氏は太子党に属している。本来であれば女房役の国務院総理(首相)には、同じ派閥の人間を配置するところなのだが、胡錦濤グループの抵抗が激しく、現時点で首相に内定しているのはゴリゴリの胡錦濤派である李克強氏だ。
 重慶スキャンダルで失脚した薄熙来氏も太子党に属しており、薄氏のスキャンダル暴露から逮捕までの一連の動きは、すべて胡錦濤派の手によるものといわれている。

 太子党は党有力者の2世、3世という立場上、毛沢東主義を強く意識している(実際には太子党のメンバーの多くが、父親が毛沢東によって粛清されたケースが多いのだが・・・)。また経済改革を最優先する現指導部に対抗するため、左翼的色彩の強い毛沢東主義を用いて庶民を扇動しているという側面もある。
 現指導部が毛沢東に関する記述を削減させているのは、毛沢東主義と太子党の利権、さらに現政権に対する民衆の不満が一体化しているからである(ちなみに反日デモの多くが毛沢東の肖像画を掲げている)。

 太子党側も指をくわえて見ているわけではない。温家宝首相の親族が2000億円以上の不正財産を海外で管理しているという文書をバラ撒き、反撃に出ている(もっとも習近平の家族は皆外国籍を持っておりどっちもどっちだが)。

 中国共産党大会の開催まであと2週間を切っているが、未だに権力闘争が止む気配はない。党大会終了後も、政権が安定せず、不安定な状態が続く可能性も高くなってきた。

 - 政治

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