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ミャンマーで大規模な人権弾圧が発生。だが大統領になりたいスーチー氏はこれを無視

 

 民主化と経済開放が進んでいるはずのミャンマーで、仏教徒による大規模なイスラム少数派民族の弾圧が発生している。

 ミャンマー西部 のアラカン州では、仏教徒であるアラカン民族が少数派でイスラム教徒のロヒンギャ族の集落を焼き討ちし、多数の犠牲者が出ている。ロヒンギャ民族の男性が アラカン民族の女性を強姦したことがきっかけで衝突が発生した。ロヒンギャ民族はミャンマー政府からは正式な国民として認められておらず、大量の難民が発 生している模様。
 ミャンマー政府は事態を傍観し、対策を取っていない状況だという。この事件は、ミャンマーの民主化が一筋縄ではいかないことを示している。

 ミャンマー民主化運動の星であるはずのアウンサン・スーチー氏は、このような事態にも関わらず、すっかりだんまりを決め込んでいる。スー チー氏はすでに国会議員であり、諸外国ではヒーロー扱いされている。彼女はもはやセレブであり、人権活動など関心がないのかもしれない。

  そもそも、スーチー氏はビルマ独立運動の父であるアウンサン将軍の娘。アウンサン将軍が何者かに暗殺され(英国諜報部が関与しているといわれる)た後、 スーチー氏は英国で教育を受け、英国人と結婚した。欧米各国から見れば、民主化運動をダシに、ビルマの経済利権を獲得するための代理人的存在である。

 経済開放と欧米資本の受け入れがスタートした今、人権運動はもはや無用の長物である。スーチー氏の野望は欧米諸国をバックにした大統領就任であり、その資金獲得のため、欧米主要企業のミャンマー進出に対して便宜を図るかのような発言もし始めている。

 ビルマ政府は、欧米と中国から過度に介入されることを警戒しており、日本に対して強い期待感を持っている。欧米側がスーチー氏を持ち上げるのは、ミャンマー経済利権への日本の影響力を排除する目的もある。

 政治とは権力闘争そのものであり、スーチー氏のこういった政治姿勢を批判する必要はまったくない。だが彼女を純粋な平和活動家とみなすような間違いだけはしてはならないだろう。
 日本の大手マスコミは、欧米の論調を真似して彼女をヒーロー扱いし、ミャンマー政府を批判してきた。ミャンマー政府が経済開放を発表するや、一転、今度は欧米に負けるなと能天気なキャンペーン記事をタレ流している。

 ミャンマーの民主化がスムーズにいかないことは、リスクでもあるがチャンスでもある。経済利権を巡る争いは、お子様ランチではないのだ。

 - 政治

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