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サントリーが米ビーム社を1兆6500億円で買収。金額はかなり割高だが・・・・

 

 サントリーホールディングスは2014年1月13日、米ウイスキー大手のビーム社を総額160億ドル(約1兆6500億円)で買収すると発表した。サントリーのスピリッツ事業とビーム社をあわせた売上高は43億ドルを超え、世界市場でシェア3位となる。

jimbeam

 ビーム社はウイスキーの著名ブランドである「ジムビーム」や「カナディアンクラブ」を手がける酒類メーカー。
 ビーム社を買収することで、今後も拡大が期待できる北米市場への足がかりを得ることができるほか、強いブランド力を生かしたアジア展開も期待されている。
 日本国内のアルコール飲料市場は縮小が続いており、サントリーが今後も成長を続けるためには、海外メーカーを積極的に買収していく必要がある。

 ただ今回の買収は金額がかなり割高であり、同社の経営を今後、圧迫する可能性がある。
 同社はビーム社の発行済株式を総額138億ドル(1株あたり83.5ドル)で取得する。ビーム社の負債は約22億ドルなので、負債を含めた買収総額は160億ドル(約1兆6500億円)となる。
 だが、ビーム社の2012年12月期の売上高は約25億ドル(約2580億円)、純利益は3億8000万ドル(391億円)しかない。2013年12月期もほぼ同水準の収益見込みである。そうなると、買収金額は売上高の6.4倍、利益の42倍にもなる。単純計算では42年経たないと投資金額を回収できないことになる。

 米国の株式市場は現在好調であり、長期的には上昇が見込まれている。このため米国で利益を上げている企業を買収するためには、実際の価値に対してかなり高いプレミアムを支払う必要が出てくる。
 日本市場は、人口の減少によって今後は継続的な縮小が見込まれている。若者のアルコール離れが激しく、他の分野に比べて酒類メーカーはさらに厳しい立場に置かれていることを考えれば、多少無理をしてでも、米国企業を買収する意味は大きいといえる。

 だがサントリー本体の収益は売上高が約1兆8000億円、経常利益が1000億円である。しかも1兆7000億円の総資産のうち、負債はすでに1兆2000億円に達している。一方、ビーム社は170億円程度しかキャッシュを保有しておらず、今回の買収によって負債総額は一気に増えることになる。
 サントリー食品インターナショナルが上場して資金調達力が増しているとはいえ、総額1兆6500億円という今回の買収は財務的には過大である。

 北米市場が急に失速する可能性は低く、当面、ビーム社の経営に問題はないと考えられる。だが、中期的にビーム社の収益を拡大させる見通しを示せなければ、サントリーの財務体質について疑問視される可能性も出てくるだろう。

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