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11月の経常収支もやはり赤字。為替市場をにらんで日本が考えるべきこと

 

 財務省は2014年1月14日、2013年11月の国際収支を発表した。最終的な国の利益を示す経常収支は5928億円の赤字となった。赤字となるのは2カ月連続で単月としては過去最大の水準。貿易収支が1兆2543億円の赤字で、11月としては過去最大だったことが大きく影響した。

kokusaishushi201311  国際収支は季節による変動が大きく、季節調整済みの数字も併せて検証する必要がある。
 季節調整済みの数字では、赤字額は466億円とかなり少なくなるが、逆に期間は3カ月連続となっている。経常赤字が急激に拡大したと解釈するのは早計だが、着実に経常赤字体質への転換は進んでいると考えるべきだろう。

 経常収支が赤字になってしまうのは、貿易赤字が拡大しているからであり、貿易赤字拡大の理由は、輸出の不振と輸入の増大である。

 輸入の増大は原発の停止によるエネルギー輸入が原因といわれており、原発を再稼働すれば問題が解決するとの期待がある。だが現実はそうではない。確かにエネルギー輸入の増大は、貿易赤字拡大の要因の一つではあるが、それは量が増えたのではなく、価格が上昇したのである。
 実は、日本全体のエネルギー輸入量は震災前と震災後でほとんど変化していない。この間、LNGの価格が2倍に、原油価格が1.5倍に上昇しており、全体の金額を押し上げた。LNGの価格上昇は日本の原発停止を見込んで、価格がつり上げられた面があり、原発停止とはまったく無関係ではないものの、エネルギー輸入の大半を占める原油価格の方は原発停止とは無関係である。日本は原発の停止分の多くを節電という何とも原始的な方法で対処してしまった。つまり原発を再稼働しても、貿易赤字の問題が解決するわけではないのだ。
 輸出の不振も国際競争力の問題と深く関係しており、円安で解消されるという単純なものではない。経常赤字への転落は、構造的な問題であり、基本的には回避不能であることを認識する必要がある。

 経常収支の赤字転落は円の下落要因となる。今後、経常赤字の慢性化がよりはっきりしてくれば、長期的にはさらに円安が進むだろう。だが短期的に見れば為替市場は需給で決定されるという側面が強い。急激に進んだ円安で現在、為替市場には円安ドル高のポジションが積み上がっている。何らかのきかっけでこのポジションが巻き戻されることになれば、一時的には円高が復活する可能性もある。

 今後、長期的に円安が見込まれる場合、その影響を緩和するもっとも効果的な方法は海外投資の加速である。その意味で、一時的に円高が復活する局面は、日本にとっては最大の、そして最後の海外投資のチャンスとなるかもしれない。

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