ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

12月はマネーストックの伸びが鈍化。一方で物価は上昇が続いている

 

 日銀は2014年1月15日、2013年12月のマネーストック(マネーサプライ)速報を発表した。主要指標であるM3(現金と預金)の伸び率は3.4%となり、前月より0.1ポイント低下した。量的緩和開始以降、伸び率が低下したのは6月の1回だけしかない。今回はマネタリーベース(日銀が供給するマネーの総量)の伸び率も下落していることから、来月以降の動向が懸念される。

nichigin

 量的緩和開始以降、マネーストックの前年比伸び率は増加が続いていた。もっともマネーストックを毎月平均40%ずつ増加させているにもかかわらず、マネーストックの伸びは平均3%程度にとどまっている。このため量的緩和策の効果について疑問視する声も一部からは出ていたが、少なくともマネーストックの増加が続いてきたことは事実である。

 ところが、12月はのマネーストックは前年比3.4%と11月の3.5%に対して0.1ポイントの下落となった。マネーストックの伸び率も46.6%となり、11月の52.5%から5.9ポイント下落している。
 マネタリーベースは今後、追加緩和がない場合には、伸び率が低下してくることが予想される。もし来月以降、マネタリーベースの伸び率の低下に比例して、マネーストックの伸び率が低下してくることになれば、追加緩和の圧力が高まってくる可能性もある。

 量的緩和の最終的な効果についてはまだ何とも言えない。量的緩和の効果は、GDPの成長率や物価など、他の要素も考慮した上で、総合的に判断する必要があるからだ。

 ちなみに、物価の上昇に対しては、マネーストックの増加はプラスに、GDP成長はマイナスに、国民のマインドはプラスに作用する。2013年7~9月期の平均的な物価上昇率は0.9%であった。この間のマネーストック増加率は3.0%、GDPの成長率は2.0%である。少々乱暴な計算ではあるが、マネーストックの増加率からGDPの成長率を引くと物価上昇率にほぼ一致することから、国民のお金に対するマインドはそれほど変化していないということになる。

 物価については2013年の11月から伸びが顕著になってきており、インフレの兆候とも解釈することができる。マネーストックがそれほど伸びない状況で物価が上がるということは、輸入物価の上昇によって国民のインフレ警戒感が高まっているか、GPDの成長率が低下したことを意味している。来月以降のマネーストックの伸びが引き続き低調だった場合には、インフレ懸念への対応が意識されてくることになるかもしれない。

 - 経済 , , ,

  関連記事

nihonyusei
海外M&Aに失敗した日本郵政が今度は野村不動産の買収に乗り出す

 日本郵政が野村不動産の買収に乗り出す。同社はオーストラリアの物流会社を買収した …

uschinadialog
米中戦略対話がワシントンでスタート。表向きはサイバーセキュリティが話題だが・・・

 第5回米中戦略経済対話が7月10日から米国の首都ワシントンで始まった。中国側か …

boingkoujo
中国へのプレゼント? 習主席訪米を前にボーイングが工程の一部を中国に移管

 米航空機大手ボーイングは、製造の最終工程を中国に移管することを検討している。同 …

gpif
年金運用のポートフォリオが大幅変更に。だが実際には現状を追認しただけ

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は6月7日、年金積立金の基本ポートフ …

jisui
日本は著作権解釈もガラパゴス?。独自解釈が行き過ぎると国際競争でまた敗北するゾ

 本や漫画の電子化を請け負う事業が著作権侵害にあたるとして、作家の東野圭吾氏、浅 …

doragi201710
ECBが量的緩和策の大幅縮小で出口戦略へ。日銀も撤退を余儀なくされる?

 ECB(欧州中央銀行)は2017年10月26日に開催された理事会で量的緩和策の …

eu
EUが経済成長見通しを下方修正。緊縮財政は事実上棚上げか?

 EU(欧州連合)の欧州委員会は5月3日、2013年春の欧州経済見通しを発表した …

uknuclear
英国の原発事業に中国が過半数の出資。日本の原発メーカーの戦略にも影響?

 英国と中国は10月17日、英国に建設する次世代原発の運営企業に中国が過半数の出 …

bukkajoushou
とうとう物価上昇にブレーキ!日銀の追加緩和策はどうなるのか?

 総務省は2014年3月28日、2014年2月の消費者物価指数を発表した。各指標 …

smog
悪化する北京の大気汚染。本当に自動車の排気ガスが原因なのか?

 北京を中心に中国各地で大気汚染が悪化している。北京市内では、視界がほとんどきか …