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11月の機械受注統計。内需経済の象徴である小売業で増加傾向

 

 内閣府は2014年1月16日、2013年11月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)が前月比9.3%と大幅なプラスとなった。小売やITなど内需関連企業からの受注が大きく伸びた。製造業の伸びは今ひとつだが、内需拡大に向けてよい兆候が出てきた。

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 機械受注は民間設備投資の先行指標といわれており、景気の先行きを顕著に反映すると考えられている。
 2012年は製造業でマイナスが続き、非製造業が横ばいという状況で あった。13年に入り、大型の公共事業が開始されたことから、関連企業を中心に設備投資が伸び、国内の景気を牽引する形となっていた。

 今回、公共事業関連ではなく、小売業やITといった純粋な内需企業の設備投資が伸びたことはプラスに評価してよいだろう。ただ、今回の設備投資の伸びが継続的な内需拡大を示しているのかは、来月以降の統計を見なければ判断できない。

 かつて設備投資の主役は製造業であった。日本は貿易立国といわれてきたが、GPDにおいて貿易黒字が占める比率は、輸出が好調であった2007年においても1.5%程度である。だが製造業が国内で実施する巨額の設備投資はGDPを押し上げる効果があることから、輸出の状況は日本経済を大きく左右してきた。

 安倍政権発足当初は、円安によって輸出が復活することが期待されていが、実際に円安が進むと輸入金額が増え、かえって貿易収支を悪化させてしまった。円安の効果が現れるまでにはタイムラグがあるとしていた安倍政権も、貿易赤字の拡大という現実を前に、輸出不振であることを認め、軌道修正を図っている。
 コスト競争力の強化を求めて海外に工場が移転していくのは時代の流れであり、これに伴って、国内の設備投資も非製造業からの影響が大きくなってきている。

 だが非製造業の中で設備投資が活発だったのは、建設業、農林水産業、不動産業といった公共事業関連の業種ばかりで、小売や通信など、民間依存度が大きい業種は横ばいが続いていた。内需拡大型の経済成長を持続させるためには、公共事業に依存しない業種の設備投資が伸びていく必要がある。そのためには、企業の経営効率の改善や新規事業の創出が重要となる。

 当初、アベノミクスの成長戦略は規制緩和を軸に検討が進められていたが、各論の段階になると反対意見が噴出し、ほとんど実現しなかった。安倍政権では、今年、再度成長戦略に取り組むとしているが、その内容はまだ固まっていない。内需拡大の兆候が見え始めている今こそ、本気で規制緩和に取り組む必要があるだろう。

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