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今注目のバイラル・メディアは、ネット媒体の収益化に関する壮大な実験場

 

 米国でバイラル・メディアと呼ばれる新しいネット・メディアが急成長している。日本でも同様のサービスが立ち上がってきており、今年はバイラル・メディアがちょっとしたトレンドになる可能性がある。

viralmedia バイラル・メディアについては、単なるネット上における短期間の流行と見る向きもある。実際そうなってしまうのかもしれないが、一方でバイラル・メディアは、ネット・メディアの収益化に関する壮大な実験場となりつつある。
 その意味で、この形態のメディアが存続できるのかということ以上に、メディア関係者はその動向に注目しているのだ。

 バイラル・メディアとは、フェイスブックやツイッターなどソーシャル系のサイトで利用者が共有したくなるようなコンテンツに的を絞ったメディア・サイトである。
 サイトの作りはシンプルで、記事は、画像を中心にちょっとした解説だけで構成されていることが多い。多くのサイトには、ソーシャル系サイトでシェアするための大きなボタンが付いており、フェイスブックやツイッターで拡散されることを意識している。

 米国ではBuzzFeedやUpworthyなど数多くのバイラル・メディアが立ち上がっており、月間で1億ユーザに迫るサイトも出てきている。日本でもこれらをモデルにしたサイトが次々と立ち上がっている。

 バイラル・メディアが注目されているのは、急激にユーザ数を伸ばしているということも理由の一つだが、何と言っても重要なのが、その収益モデルである。
 そもそもフェイスブックやツイッターでの拡散を狙っているので、利用者がじっくりとサイトを読み込むことは想定されていない。このためバナー広告など従来型のネット広告が入っていない媒体が多い。では、どうやって収益化しようと考えているのかというと、多くは新しい広告形態であるネイティブ広告と呼ばれる仕組みを想定しているのだ。

 ネイティブ広告とは、読者に広告であることはっきり明示せず、通常の記事であるかのような体裁で作られた広告のことを指す。日本では雑誌や新聞において、以前から記事の体裁をした広告というものが存在していた(記事体広告と呼ぶ)。ネイティブ広告はこれをさらに巧妙にしたものである。

 記事と広告の境目がなくなることについて批判の声も大きいが、読者はそれほど違いを意識していないという調査結果もある。何よりネット・メディアを収益化できる可能性が高いということで、関係者の多くが注目しているのだ。

 つまり一時的なブームとはいえバイラル・メディアが収益化に成功すれば、それはネイティブ広告が現実化するということであり、もしそうなった場合には、ネット・メディアの世界は大きく変わることになる。
 これまで収益化は不可能とさえいわれてきたネットメディアに収益化の見込みが立つ一方、コンテンツの正当性や公平性については、さらに状況が曖昧になる。少なくとも、20年間バナー広告という「旧式」の広告に依存していたネット業界の構図に変化の波が押し寄せていることだけは確かである。

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