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12月の貿易赤字はさらに拡大。慢性的な経常赤字に備えた政策が急務

 

 財務省は2014年1月27日、2013年12月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆3021億円の赤字となった。赤字は18カ月連続で、先月に引き続いて過去最長を更新している。また前年同月比では赤字額が倍増している。季節調整済みでは前月比で多少改善しているが、貿易赤字の増加トレンドに変更はない。慢性的な経常赤字になるのは時間の問題である。

bouekitoukei201312

 経常収支は最終的な国の収支を示す指標で、おおまかには貿易収支に投資収益(所得収支)を加えたものである。日本はすでに慢性的な貿易赤字体質になっているが、それを上回る投資収益があるため、経常収支は黒字が続いていた。だが2013年に入ってから貿易赤字が急拡大し、投資収益を上回り、経常収支が赤字になる月が出始めた。

 昨年1年間の投資収益の月平均は約1兆4000億円である。今月の貿易赤字は1兆3000億円なので、もう一段階、貿易赤字が大きくなれば、慢性的な経常赤字体質に転落してしまう。現在の赤字拡大のトレンドがそのまま継続すると仮定すると、その時期は早ければ今年の後半にやってくる。

 赤字拡大の原因は輸出の不振と輸入の拡大である。輸出の不振は日本企業の国際競争力に起因しており、為替で回復できるものではない。実際、円安になった後も輸出の数量は横ばいが続いており、増加の兆しはない。また輸入増大について原発の再稼働で改善できるとの主張があるが、原発停止後もエネルギー輸入量は増加しておらず、再稼働で赤字を改善することはほぼ不可能である(日本は基本的に節電で対応。エネルギー輸入金額が増大したのは原油価格が上昇したから)。

 つまり貿易赤字の増大は構造的問題であり、すぐに現状を変えることは困難と考えるべきである。貿易赤字の増大は不可避であることを前提に、その影響を和らげる政策が必要となるだろう。考えられるのは対外、対内投資の拡大である。

 海外からの投資収益を拡大することができれば、貿易赤字増大の影響を緩和させることができる。そのためには、対外投資における直接投資の比率をさらに上げることが重要となる。ソフトバンクやサントリーのような大型海外M&Aをさらに活発化させるための政策が必要である。
 一方で、国内の国債消化余力を維持するために、海外資金を呼び込みやすい環境を整備することも重要である。今のところ問題は顕在化していないが、経常赤字が慢性化すると、国内の資金余力が減少し、必然的に海外からのファイナンスへの依存度が高まる。その時に、日本市場が魅力的でなければ、日本は資金不足に陥ってしまう可能性があるからだ。

 だがこれらを実現するためには政府による規制という大きなカベが立ちはだかっている。政府の規制によって、特定企業を保護する政策を続けていると、外国人投資家にとって魅力的な市場にはならない。アベノミクスは、公共事業や特定産業支援など、予算措置を伴うものについてはスムーズに実行されているが、こうした規制緩和については進捗がほぼゼロである。経常赤字の問題が顕在化してからでは時はすでに遅い。残された時間は限りなく少ない。

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