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ITの分野は米国でもなぜか女性が少ない。リケジョはどこでも引く手あまた?

 

 米国ではコンピュータ関連のエンジニアは高収入で知られているが、この分野を専攻する女子学生や有色人種の割合いが極めて少ないという調査結果が話題となっている。ITの世界はオープンなイメージがあるが、この分野は米国においてダイバーシティが最も進んでいないという。

rikejo

 全米大学・雇用者協会が行った調査では、大学卒業後にもっとも高収入が得られる専攻はコンピュータ・エンジニアリングであり、初年度の平均年収は7万ドル(約720万円)を超えるという。これは2位の化学工学の6万6000ドルを大きく引き離している。実際、米国では一般にコンピュータ関係は収入がよいというイメージの職業になっている。

 一方、大学入学適性試験などを実施している非営利団体の調査によると、高校の中でコンピュータ・サイエンスに関連する科目を選択する学生には性別と人種で偏りが見られるという。専攻する学生が多いのは白人男性でその後にアジア系の学生が続く。女性や黒人、ヒスパニック系が専攻する割合いは低い。

 コンピュータ・サイエンスに関連した科目における飛び級試験を受けた高校生のうち、女性は19%、黒人は4%しかいなかった。これに対してアジア系は43%にも達している。この世界のほとんどは白人男性とアジア系で占められていることになる。ちなみにアジア系だけは女性の割合いが比較的高く、3分の1が女性であった。

 調査を取りまとめた専門家によると、高校でコンピュータ関連の学科を持っているのは、郊外のミドルクラス以上が住む地域の学校に多く、私立学校の割合いが高いという。こうした地域的な特性は州ごとのデータの違いにもあらわれている。

 モンタナ州、ミシシッピ州、ワイオミング州では飛び級の試験を受けた女性学生はゼロであった。これらの州は保守的傾向が強いことで知られている。単純に所得や適性という面だけでなく、社会的な慣習なども履修傾向と大きく関係している可能性がある。

 日本でもコンピュータ・サイエンスに限らず、工学系分野における女性の割合いは極めて低い。一方、企業の現場ではコンピュータ関係のエンジニアの数は圧倒的に不足しており、企業にとっては喉から手が出るほど欲しい状況が続いている。
 学生の希望と企業のニーズにはミスマッチがあるといわれているが、学生の男女比率という点だけを取っても、こうしたミスマッチを解消できる部分は多い。この就職難の時代、女子学生でこの分野が嫌いではないということであれば、真剣に専攻について検討する価値があるだろう。

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