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沖縄への基地集中は「差別」という調査結果がもたらす地政学的インパクト

 

 沖縄県が2012年に実施した県民意識調査において、米軍基地の多くが沖縄に集中している状況について「差別的」だと感じている人の割合いが74%に上ることが明らかとなった。琉球新報が伝えている。

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 沖縄の基地負担が他県に比べて重いことは、日本国民全体の共通認識といってよい。だが沖縄に基地が集中していることについて「差別」と捉える感覚は、東京をはじめとすると沖縄以外の地域ではまずないと考えられる。
 こうしたアンケートは質問の仕方で結果が大きく変化するため、単純に論じることはできないが、これは沖縄とそれ以外の地域に極めて大きな断絶が存在していることを示している。

 一般論として差別する側は差別している意識がないのが普通であり、差別問題は差別される側からの意思表示で顕在化する。
 沖縄の基地負担が構造的な差別問題なのだと仮定すると、これを放置することは、日米関係にとって極めて重大な影響を及ぼす可能性がある。その理由は、沖縄は他県とは異なり独特の歴史的経緯を持っているからである。

 よく知られているように沖縄は以前は琉球王国という国であり、江戸時代に薩摩藩の侵攻によって日本に従属したものの、中国からの冊封も受け続けていた。明治に入って、いわゆる琉球処分によって沖縄県が設置され強制的に日本に組み込まれた。
 米国という立場から、この歴史的経緯と差別問題の拡大という現状をつなぎあわせてみると、場合によっては民族紛争の兆候と解釈される可能性がある。安全保障の世界では常に最悪の事態が想定される。米国にとってみれば、民族紛争が起こりつつあり、日本政府のコントールが効かない可能性のある地域に、重要な軍事拠点を置いているという解釈が成立しうるのである。このことは決して大げさなことではない。

 日本国内で利害が対立する事態が発生したときには、多くの場合、経済的な解決策が提示されてきた。それは補助金であったり、施設の建設という形になる。だがこれが構造的な差別問題に起因するとなると、事はそう単純ではない。さらにいえば、沖縄の中にも地域間の差別問題や経済格差など非常にやっかいな問題が横たわっている。沖縄とそれ以外の地域という単純な対立図式を前提にした解決策は問題を悪化させる可能性すらある。

 ただ、この問題が差別であるのかは別にして、沖縄に基地が集中するのは、地政学的な理由が根本にあり、日米安保を堅持しようとする限りは避けて通ることができない。米国側が日本の状況を理解して辺野古移設を撤回する可能性はほぼゼロと考えてよいだろう。

 日本政府としては、米国から民族紛争と解釈される事態だけは何としても回避する必要がある。日米安保を堅持しようと思うのであれば、沖縄に対して基地存続の意義を理解してもらい、辺野古移設を容認してもらうよりほかに道はない。中国の東シナ海での台頭や米中交渉の進展など、沖縄周辺の国際情勢は早いペースで進展している。残された時間はあまり多くはないだろう。

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