ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国の10~12月期GDPは絶好調。だが新興国が足を引っ張り世界経済の成長は鈍化?

 

 米国商務省は2014年1月30日、2013年10~12月の国内総生産を発表した。物価変動の影響を除いた実質GDPは、年率換算で前期比プラス3.2%となった。政府機関閉鎖の影響で政府支出はマイナスだったが、好調な輸出と個人消費がこれを大きく上回った。米国経済は予想以上のペースで回復が進んでいる。

usagdp20131012

 米国経済は個人消費がGDPに占める割合が7割と日本よりも高く、個人消費の動向がGDPを大きく左右する。米国の個人消費はリーマンショック後も堅調に推移しており、好調だった年末商戦も重なって3.3%の伸びとなった。設備投資も活発でこちらも3.4%の増加となっている。

 市場を驚かせたのは、輸出の好調さである。輸出は前期比11.4%という極めて高い伸びになった。
 米国はシェールガス革命によってエネルギーの自給が可能になりつつあり、米国に製造拠点を回帰させる動きが加速しているほか、余剰となった天然ガスの輸出も始まっている。昨年後半から米国の貿易収支は劇的に改善してきているが、これがGDPにも反映された。

 昨年10月には政府機関の閉鎖問題があり、経済へのマイナス影響が懸念されていた。だが一足先に出された雇用統計では、政府機関による閉鎖の影響はほとんど見られなかった。GDPの統計では、政府支出は4.9%のマイナスとなっているが、これをはるかに上回る輸出で全体の数値を押し上げた。

 まさに米国経済は絶好調といった状況だが、手放しで喜べる状況かというとそうでもない。全世界的に見ると、新興国の伸びが鈍化しており、世界経済は完全に米国に依存している。いくら米国が単独で好調とはいえ、全世界の景気をすべて牽引するだけの余力があるわけではない。新興国が米国の足を引っ張る形で、緩やかな成長が持続するというのが現実的な見通しと考えてよいだろう。

 2月からはFRB(連邦準備制度理事会)の議長がバーナンキ氏からイエレン氏に変わる。当面、米国の金融政策に大きな変更はない見込みだが、さらに成長が加速するようだと、緩和縮小ペースや利上げのタイミングについて議論が激しくなってくことも予想される。

 - 経済 , ,

  関連記事

tokyowan
GDPギャップは依然マイナスのまま。供給過剰な状態は本当に一時的なものなのか?

 内閣府は8月22日、4~6月期におけるGDPギャップがマイナス1.9%になった …

no image
シャープが中間決算を発表。同社が初めて倒産のリスクについて言及

 シャープが1日、中間決算を発表した。  半期の売上げは約1兆1000億円で前年 …

sangyoukyousouryoku
手詰まり感が出てきた新しい成長戦略。素案には抽象的なキーワードが並ぶ

 政府は2015年6月22日、産業競争力会議を開催し、今月末にまとめる成長戦略の …

zangyou
米国人は仕事中毒?休暇中もノートパソコンを叩く人が増加中

 米国では休暇先にパソコンを持ち込み、仕事をする人が増えているという。日本では残 …

hitachiturbin
三菱重工と日立が火力発電事業を統合。だが肝心の技術でトラブルが続き前途多難

 三菱重工業と日立製作所は6月11日、火力発電事業の事業統合に関する基本契約書を …

globalmoney
政府が資産の海外移転に対する対策を強化。だが本当の解決策は別なところにある

 個人が保有する海外資産の課税について政府が本格的な対策に乗り出している。すでに …

jinmingen
台湾と中国で人民元の直接取引が解禁。中国が狙うのは緩いアジアの人民元経済圏

 中国の人民元と台湾ドルの直接取引が6日、解禁された。台湾では、現地の銀行が米ド …

kindleunkimited
アマゾンが日本でも読み放題を開始。音楽業界の二の舞にはならない可能性が高い

 アマゾンジャパンは2016年8月3日、電子書籍の定額読み放題サービス「キンドル …

abeseichou02
成長戦略に関する議論を大胆に整理してみると・・・・話は意外と簡単だった

 アベノミクスにおける3本目の矢である成長戦略の迷走が続いている。当初、成長戦略 …

amari
注目の4~6月期GDPは実質で2.6%。改定値もこの水準であれば消費税増税?

 内閣府は8月12日、2013年4~6月期の国内総生産(GDP)一次速報値を発表 …