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ケリー国務長官が中国を訪問。日本の立場は米中の経済交渉次第

 

 米国のケリー国務長官はこの2月に中国を訪問する。同じく国務省のバーンズ副長官が1月21日から22日まで北京に滞在し、ケリー長官の訪問の地ならしを行った。
 日本ではケリー長官の訪中で、米国が中国に対して牽制することを望む声が強いが、米国の主な関心はどちらかというと経済交渉の行方にある。米国が中国に対して強硬なスタンスに出るのかどうかは、日本との関係ではなく、米中における経済交渉の進捗に依存しているというのが現実だ。

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 米国と中国は、2013年6月の米中首脳会談以降、定期的に会合を持ち、今後の米中関係について協議を行ってきた。2014年は米国と中国にとって国交樹立35周年にあたり節目の年となっている。春にはオバマ大統領と習近平国家主席による2回目の首脳会談が予定されており、何らかの交渉進展がある可能性が高い。
 バーンズ国務副長官の訪中には前後してラッセル国務次官補も加わっており、実務的にかなり突っ込んだ話し会いが行われたことを示唆している。

 日本では中国による脅威の増大から、もっぱら対中関係という観点で米中関係を見てしまいがちだ。だが、米国と中国との間においては、アジア太平洋地域の安全保障問題だけが主要なテーマというわけではない。米中間での投資協定の締結、TPPを視野に入れた貿易の自由化、金融市場の自由化など経済・金融に関する幅広いテーマが存在している。極論をいうと尖閣諸島問題をどのように位置付けるかは、米中の経済交渉次第というのが米国のホンネなのである。

 これはかつての米国と日本の関係を考えればよくわかる。日本は米国の同盟国として、旧ソ連に対する防波堤の役割を果たしてきた。一方で日本が米国との貿易で積み上げた膨大な黒字は、その多くが米国債の買い支えという形で米国に環流した。
 米国の経常収支は劇的に改善しており、財政赤字削減もほぼメドが立った状態にある。米国は以前ほど海外の資金に頼る必要はなくなっている。とはいえ、米国は常に自国経済をファイナンスしてくれる「お財布」を探していることに代わりはなく、その対象が、国力の低下が著しい日本から中国に向かうのはごく自然な流れである。

 日本は小泉政権時代に国論を二分する構造改革論議を行ったが、最終的に日本は、米国型資本主義を採用せず、米国経済とは一線を画する選択を行った。米国の日本における経済的利益と安全保障上の利益は必ずしも一致しない状況となっている。
 米国は昨年12月に、退任するロック駐中国大使の後任に、ボーカス上院議員を指名した。ボーカス氏は中国語を話せないが、米国の通商政策に大きな影響力を持ち、人民元改革を強く求めてきた論客でもある。国際市場では、オバマ政権における中国市場との連携重視の表れと理解されている。

 日本では「米国は完全に日本を見放した」あるいは「米国と連携して中国を封じ込める」といった、日本を中心にした論点が多く見受けられるが、交渉はあくまで相手が存在してはじめて成立する。米国の日本に対する最終的なスタンスは米中交渉の行方にかかっていることを忘れてはならないだろう。

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