ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

マイクロソフトのトップ交代。ゲイツ氏は退任ではなく、実は現場復帰?

 

 米マイクロソフトは2014年2月4日、同社のナデラ上級副社長が最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。創業者のビル・ゲイツ氏は会長を退任するが、同社の技術アドバイザーに就任する。かねてから注目されていた同社のトップ人事は、内部昇格という形で落ち着いたが、一部の関係者からは、ゲイツ氏は退任するのではなく、むしろ現場に復帰するとの見方が出ている。

billgates

 同社はビル・ゲイツ氏が創業した企業であり、長く同氏がトップを務めてきた。ゲイツ氏の後を継いだバルマー氏はゲイツ氏のハーバード時代の同級生であり、内部昇格といっても、かなり創業社長に近い立場であった。
 今回のトップ人事はバルマー氏が退任を表明したことがきっかけだが、ゲイツ氏とバルマー氏は特別な存在であったことから、後任人事は難航し、一時は外部から著名経営者をスカウトする話も出ていた。結局は内部昇格という形に落ち着いたが、今回の人事で、初めて創業者とは縁のない人物が同社のトップに立つことになる。

 折しも同社はスマホ対応に出遅れており、体制の刷新が必要な時期に来ている。一般的には若い幹部にトップを譲り、今後の成長を加速させるという解釈になる。だが一部の関係者はこうした一般的な説に対して否定的だ。そのカギはゲイツ氏のアドバイザー就任にあるという。

 ゲイツ氏は今でこそ、夫妻で世界の慈善活動にいそしむセレブだが、かつては鬼ような形相でプログラミングと経営に邁進する狂気の起業家であった。周囲の人物、特に仕事ができない相手を口汚く罵るのは日常茶飯事で、同氏に罵倒され退任した幹部は数知れない。また結婚していると昇進に不利であると公言し、社員には24時間365日仕事に専念することを求めていた。

 しかし同社の規模が拡大し、世界的大企業に変貌するにつれ、そうしたヤンチャな社風はなくなり、いい意味でも悪い意味でも大人しい会社となった。またゲイツ氏自身が結婚したことで、本人の立ち居振る舞いも大きく変わったといわれている。

 このところ同社はスマホ対応で出遅れているが、こうしたスピード感の欠如は、大企業化とのトレードオフだったのかもしれない。だがゲイツ氏はセレブになったとはいえ、他人の後塵を拝する状態が耐えられない人物である。今回の会長退任とアドバイザーへの就任は、むしろ起業家時代のゲイツ氏に戻り、開発にゲキを飛ばす意向であることの表れだという。

 真偽の程は今後の同社の展開を見ないと分からないが、スマホ出遅れという評価とは裏腹に、同社の経営は絶好調である。
 同社が1月に発表した2013年10~12月期の決算は、売上高が前年同期比14%増の245億1900万ドル(約2兆5000億円)、純利益が同3%増の65億5800万ドルとなり、売上高は四半期ベースでは過去最高となった。企業向けサーバーソフトなど既存のビジネスが好調であることがその理由である。また約8兆円という途方もないキャッシュ(もしくはキャッシュ相当の金融商品)を保有しており、どのような大型買収や先行投資にも耐えられる財務体質を誇っている。

 もしゲイツ氏が噂通り、現場に「復帰」することになれば、同社の雰囲気も大きく変わってくるだろう。それが吉と出るか凶と出るかは誰にも分からないが、同社が大きく動き出すことだけは間違いない。

 - 経済, IT・科学 , , , ,

  関連記事

gnpgni
安倍首相がGNI(国民総所得)増加を表明。なぜ今GNIと騒いでいるのか?

 安倍首相が自らの経済政策であるアベノミクスによって、10年後に国民総所得(GN …

businessman02
2016年1~3月期GDPはプラス転換だが、うるう年効果が大きく実質ゼロ成長

 内閣府は2016年4月18日、2016年1~3月期のGDP(国内総生産)速報値 …

shukinpeihouei2015
習近平国家主席の訪英。とうとう英国原発の中国丸投げについて最終合意

 英国を訪問中の中国の習近平国家主席と英国のキャメロン首相は2015年10月21 …

trybol
スイスで経営者の高額報酬を制限する国民投票を実施。立役者の主張とは?

 企業幹部が受け取る高額報酬の制限をめぐってスイスで国民投票が実施される見込みと …

sonyhirai
ソニーが最悪のタイミングで増資を発表。もはやグローバル企業ではなくなった?

 ソニーが突然、公募増資などによる最大4400億円の資金調達を発表した。業績回復 …

titan
もはや紅白歌合戦?戦争の遺物となった研究所同士が争うスパコン計算速度

 世界のスーパーコンピューター性能ランキングが発表され、前回2位だった理化学研究 …

jakaruta
ホンハイやエアアジアなどが相次いで進出。インドネシアは第二の中国に

 人件費の高騰や工場での暴動、領有権問題など、いわゆる中国リスクを避けるため、A …

nichigin
マネタリーベースは順調に増加。実体経済への効果については依然として不透明

 日銀は12月3日、11月のマネタリーベースが前年同月比52.5%増の189兆7 …

no image
伝説の債券ディーラー藤巻健史氏。予想ハズしまくりでブチ切れた!

 強固な円安論者として有名なフジマキ・ジャパンの藤巻健史氏が、予想をハズシまくり …

kokusaishushi201401
1月の経常収支は予想通り大幅赤字。アベノミクスに徐々に変化の兆し

 財務省は2014年3月10日、2014年1月の国際収支を発表した。最終的な国の …