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総額5.5兆円の補正予算が可決成立。だが昨年より規模が小さく、効果は限定的

 

 参議院は2014年2月6日、消費税増税をにらんだ経済対策を柱とする2013年度補正予算案を可決した。すでに衆議院での審議は終わっているので、補正予算は正式に国会で成立した。
 昨年に引き続いて大型の補正予算が組まれた形だが、昨年と比較するとその規模は小さい。今の日本経済は完全に公共事業依存体質となっており、5.5兆円規模では、消費増税の影響を完全に打ち消すのは難しいというのが大方の見方である。

 sangiinabe01 今回の補正予算の規模は総額5.5兆円。主な内訳は震災の復興対策費用が約1.9兆円、競争力強化関連費用が1.4兆円、防災安全対策が1.2兆円となっている。
 このうち競争力強化関連費用には東京オリンピックに関連したインフラ整備費用が含まれていることから、全体のうちかなりの割合いが公共事業で占められていることになる。

 今の日本経済は完全に公共事業に依存する体質となっている。2013年7月~9月期のGDP成長における官需の割合はすでに30%に達しており、公共事業を縮小すると、即、経済成長に影響してしまう。
 2013年2月に成立した昨年度の補正予算は総額10兆円という大型のものであった。昨年、政府が消費増税を決断する根拠と なった4~6月期のGDP成長率は、年率換算で3.8%と良好な数字だったが、これが実現できたのは、この大型補正予算のおかげである。

 今年は消費税の8%増税が控えているだけでなく、補正予算の規模が小さい。補正予算と当初予算を合わせた政府支出の総額でも、昨年度とほぼ同水準にとどまっている。政府支出が横ばいで、かつ消費税の増税があることを考えれば、今年度、景気が失速することはほぼ確実といえる。実際、内閣府も2014年の実質GPD成長率はプラス1.4%としており、昨年と比較して大幅に低下すると見込んでいる。

 今年は消費税10%への増税決断が控えており、安倍政権としては大幅な景気の落ち込みは避けたいところである。今後の焦点は、日銀による追加緩和の実施と、追加の補正予算の成立である。

 日銀は今のところ追加緩和については一切言及していないが、新興国不安から大幅な株安になっている状況を考えると、日銀には相当の緩和圧力がかかる可能性が高い。追加の補正予算についても、足元の景気動向をにらみならが実施が検討されることになるだろう。

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