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ソフトバンクが電力小売に向け本格始動。電力自由化の本当の意味とは?

 

 ソフトバンク・グループが電力事業に向けて本格的に動き出した。2014年2月17日、同社グループでは最大規模となる兵庫県の太陽光発電所を稼働させるほか、春には電力の小売事業にも参入する。現在は事業者向けのみだが、電力の小売りが完全自由化される2016年には、家庭向けの電力販売をスタートさせたい意向だ。

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 日本の電力は地域ごとに設立された電力会社が送配電一体で独占的に供給していた。しかし1995年から部分的な電力の自由化が始まり、一定の条件を満たす事業者は電力事業に参入することが可能となった。現在では大口を中心に一部の電気料金は自由化されている。

 しかし小規模事業所や家庭向けの電気料金はまだ規制の対象となっているほか、送電網が地域電力会社の所有となっていることから、公平な競争が実現できないとの指摘がある。
 政府では電力システム改革法に基づき、2016年をメドに家庭用も含めて電力の小売を完全自由化し、2018年から2020年にかけて送配電の分離を実施したい考えだ。

 ソフトバンクは現在のところ、大口需要家向けの電力事業者としての参入だが、2016年の完全自由化のタイミングで家庭用電力販売に進出する予定である。
 同社グループはすでに通信事業者として多くの世帯と契約を行っている。電気料金が自由化されれば、携帯電話とのセット割引などが可能となるため、利用者によっては、安い料金で電力を利用できるようになる可能性がある。同社の場合、発電所のほとんどが太陽光なので、価格面よりも環境に優しいといった別の部分を強調した販売戦略を採用する可能性もある。

 家庭用の電力小売にどれほどの企業が名乗りを上げるのかは分からないが、地域独占にあぐらをかいていた家庭用電力の分野に競争相手が出てくることは基本的に歓迎すべきことだろう。
 だが電力が自由化されたからといって、電気料金が単純に安くなると考えるのは早計である。場合によっては電気料金が上昇する可能性があることも利用者は頭に入れておく必要がある。

 現在の日本における家庭用電力の料金は1キロワットあたり約30円となっており、諸外国に比べるとかなり高い。米国は平均約12円(米国地域差が大きく、1キロワットあたり7円から25円までバラツキがある)、英国は23円、自然エネルギーを重視しもっとも高い部類に入るドイツでも26円程度である。
 従来の電気料金は、電力会社がコストを積み上げる総括原価方式によって算定されている。電力会社間には競争がないため、事実上、電力会社の言い値で電気料金が決定される。もっとも電力会社は過剰な利益を計上できないよう制限が課せられており、コスト積み上げといっても、電力会社が法外な利益を上げてきたわけではない。
 だが地域独占の立場を維持するため、下請け企業や地域への配分も含め、コストをあまり考えず事業を行ってきたのは事実である。基本的には競合の参入によって価格低下が期待されると考えてよいだろう。

 だが一方で、電気料金の2割を燃料代が占めているのも事実である。他の部分でコストダウンが可能であっても、燃料費が高騰すれば電気料金は跳ね上がる可能性もある。実際、諸外国で自由化を実施したところの多くが、燃料費の高騰によって逆に電気料金が上昇するという現象が起きている。
 料金の引き下げは、自由化がもたらすメリットのひとつではあるが、それがすべてではない。自由化を行う最大のメリットは、利用者における選択肢の確保であり、価格低下はあくまで副産物であることを認識しておく必要があるだろう。

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