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オバマ大統領が4月訪日決定。日本側が求めている国賓待遇が微妙なワケ

 

 米大統領府(ホワイトハウス)は2014年2月12日、オバマ大統領が4月下旬、日本、韓国、マレーシア、フィリピンの4カ国を訪問すると発表した。日本には4月22日から23日まで滞在する方向で調整が進められている。実現すればオバマ大統領の来日は2010年1月以来となる。

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 オバマ大統領は滞在中、安倍首相と首脳会談を行い、米軍普天間基地の移設問題や北朝鮮問題、東アジア情勢などについて意見交換する予定となっている。現在、日本と米国は歴史認識問題をめぐってギクシャクした関係にあり、日本としては今回の会談でこうした状況を打開したい意向だ。

 日本側はオバマ大統領との関係をより密にするため国賓待遇で2泊する日程を求めているが、これについては微妙な状況となっている。
 今回のアジア歴訪では、韓国が日本と同様に韓国も訪問するよう強く求めており、この調整によって日程がタイトになってしまった。米国側は基本的に1泊での滞在を考えており、国賓待遇に難色を示しているという。

 ただこうしたスケジュール的な面とは別に、国賓待遇での来日に調整がつかないこと関して、別な理由が存在しているとの見方もある。それは天皇陛下とのやり取りに関するものである。

 オバマ大統領の来日が国賓待遇となれば、天皇陛下主催の宮中晩餐会が催され、そこでは何らかのスピーチが行われることになる。天皇・皇后両陛下は、日本の右傾化や米国との関係悪化に懸念を示しているといわれており、皇室としては異例の政治的発言を何度か行っている。
 天皇陛下が歴史認識問題や米国との関係についてより突っ込んだ発言を行い、オバマ大統領がそれに応えるというシナリオが描ければ、日米同盟の強固さを世界にアピールできることになる。

 皇室は政治的に中立な存在とされているが、天皇陛下が日本の国家元首である以上、厳密な意味での政治的中立はあり得ない。2009年にオバマ大統領が来日し、天皇・皇后両陛下と会見した際、90度のおじぎをして大きな話題となったことがある。国家元首どうしのやり取りは象徴以上の意味を持っており、これは国際的な常識といえる。

 中国の台頭にともなって米国のアジア太平地域における最大の関心は中国にシフトしている。2014年は、米国と中国にとって国交樹立35周年という節目の年となっており、現在、両国はアジア地域の経済や安全保障問題をめぐって、大がかりな包括的交渉を行っている最中である。

 このような微妙な時期であるだけに、米国側は天皇陛下主催の晩餐会というインパクトのあるイベントをなるだけ回避したいと考えているフシがある。
 さらにうがった見方をすれば、米国側だけではなく、日本側にも日米の関係改善に消極的になる理由があると解釈することもできる。保守派の一部は、天皇陛下が歴史認識問題に言及してしまうと、日本の保守化の流れがストップしてしまうと危惧している可能性があるからだ。

 いずれにせよ、米国は日本と中韓の緊張緩和を求めてくる可能性が高く、日本側がどのように対応するのかが注目される。

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