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財政投融資のあり方に関する議論が財務省でスタート。焦点は官製ファンドなど産業投資

 

 財務省は従来の財政投融資のあり方を検証し、今後の方向性を見極める作業に着手した。2014年2月18日、財政制度審議会の財政投融資分科会を開き、有識者などを交え今後の議論の進め方などについて確認を行った。焦点のひとつになっているのは、財政投融資の一部として急激に存在感を高めている産業投資のあり方である。

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 かつて財政投融資は、郵便貯金、年金積立金を原資とした巨額の資金運用主体となっており、政府与党最大の利権ともわれていた。
 小泉政権の構造改革においてこれがやり玉にあがり、2001年には郵便貯金と年金による預託から、財投債(国債)を発行して資金を調達する現在のやり方に変更された。
 これをきっかけに財政投融資は急激に縮小。ピーク時には420兆円ほどあった残高は現在では170兆円程度まで減少している。

 リーマンショックまでは毎年、投融資額の減少が進んでいたが、その状況が変化するきっかけとなったのがリーマショック後の金融危機対応と震災復興対応である。残高は減少が続いているものの、リーマンショックを境に毎年の投融資額は増加に転じている。特にここ最近は、成長戦略の一環として、輸出企業振興策や官民ファンドなど、いわゆる産業投資と呼ばれる分野への支出が増えてきており、2014年度は3172億円が予定されている。産業投資の残高はすでに4兆6800億円に達している。

 産業投資の中で最も大きな割合いを占めるのが、政策投資銀行や国際協力銀行を通じた、資本性の高い投融資、資源投資、アジア進出関連投資などである。だが最近、注目を集めているのは官製ファンドを使ったリスクマネーの供給である。これらは革新性が高いがリスクも高いベンチャー企業などへの出資が想定された資金である。産業革新機構などを中心にすでに3000億円以上の投資実績がある。

 だが産業革新機構が、巨額の運用資金を持て余し、途上国のインフラ関連投資や経営危機に陥った半導体大手ルネサスエレクトロニクスへの出資など、本来の趣旨とは異なる投資を繰り返していることはよく知られている。
 日本はインフラ投資について、新規建設から維持管理へとすでに舵を切っている。だが公共インフラに対するニーズは常に存在しており、一定水準の財政投融資を維持することについて異論はないだろう。だが有望な投資先が見つからない中で、産業投資の金額を増やしていくことがよいことなのかについては、議論が分かれるところである。

 競争環境が整備され、イノベーションが自然に発生する状態になれば、民間からいくらでもリスクマネーは調達することができる。これは鶏と卵の議論になってしまうが、リスクマネーを用意したからといって、それに比例してイノベーションが増加する可能性は低いというのが現実である。
 官製リスクマネーを増額するのであれば、競争環境の整備という、王道の政策を平行して実施しなければ、具体的な成果を出すことは難しいだろう。だがこれは、成長戦略や競争戦略に関するテーマであって、もはや財政投融資に関するテーマではない。

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