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経済成長の数値目標が盛り込まれたG20。アベノミクスにも微妙な影響が出てくる可能性

 

 豪シドニーで開催されていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は2014年2月23日、世界経済の成長率を5年で2%以上底上げするという目標を明記した共同声明を採択し、閉幕した。共同声明に経済成長率が目標値として盛り込まれるのは異例。新興国経済の減速をきっかけとした世界経済の動向に危機感を強めた形となった。

g20sydney2014

 このところ世界経済は成長の鈍化が囁かれている。その最大の原因は新興国の減速と米国の経済構造の変化である。
 リーマンショック前までは、米国がバブルとなっており、好景気を背景に巨額の貿易赤字を垂れ流し、途上国は米国向けの輸出を軸に高い成長を続けてきた。日本もその恩恵をもっとも受けていた国の一つといえる。

 しかし新興国の労働コストが上昇し、価格競争力が低下してきたことや、米国でシェールガス開発が続き、エネルギーの自給が可能になったことなどから、このところ米国内に工場を戻す動きが活発化してきた。このため米国の貿易赤字が急激に改善してきており、これが新興国の輸出にブレーキをかけ始めている。中国では建設インフラバブルの崩壊などもあり、新興国経済は一気に調整色を強めている。欧州については、景気の底は脱したものの、デフレ懸念はなくなっておらず、経済の機関車役にはなれない状況が続く。

 現在、好調な米国が世界経済全体を引っ張る構図だが、米国はある意味で健全な経済成長モードとなっており、過剰消費で途上国を引っ張っているわけではない。このため世界経済はどうしても緩やかな成長にならざるを得ない状況が続いている。

 今回、世界経済の成長を促すための数値目標が盛り込まれた背景には、世界経済の機関車として過大や役割が期待されている米国の意向が大きく影響しているといわれる。労働市場改革、財政再建、インフラ投資など、各国が生産性の向上や内需拡大策を実施することで、米国だけに依存しない成長を求めた格好だ。

 今後5年で経済成長率を5%上乗せするためには、各国の成長率を毎年平均0.4%から0.5%上げていく必要があり、それほど簡単なことではない。5%という具体的数値が盛り込まれたことで、ドイツなど経常黒字国は、財政出動などの内需拡大策が、日本には生産性の向上など構造改革的な政策が求められてくる可能性がある。
 これまでアベノミクスは、大型公共事業による財政出動に大きく偏ってきたが、一時棚上げとなっている成長戦略に関する議論があらためて浮上してくる可能性も出てきた。

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