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米国防長官が史上最大規模の軍縮プランを発表。背景には米国の変質と兵器ハイテク化

 

 ヘーゲル米国防長官は2014年2月24日、米軍の戦力を第2次世界大戦以前の規模まで縮小する大規模な軍縮プランを発表した。オバマ政権はすでに、今後10年間で4870億ドル(約50兆円)という史上最大規模の軍縮を実施する方針を表明しており、今回の発表はその方針をもとにした具体策ということになる。

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 ヘーゲル氏は記者会見で「米国にとって、長期間にわたる大規模な作戦を実施する計画はもはや存在しない」と述べ、陸軍の兵力を現在の52万人から44万人程度まで縮小する方針を明らかにした。
 また海軍兵力についても、これまで国是としてきた空母11隻体制は維持するものの、今後さらなる追加の予算削減があった場合には、現在横須賀に配備され、来年大規模修繕に入る予定の空母ジョージ・ワシントンについて、モスボール処理(開口部を密閉して窒素ガスなどを封入し、必要に応じて再利用できるよう保存すること)する可能性があるとしている。
 これらの軍縮プランが実施されれば、今後2年間で750億ドル(約7兆7000億円)の軍事費が削減され、最終的な軍の規模としては、第2次世界大戦以前の水準まで戻ることになる。

 米国は中東への軍事力をアジア太平洋地域にシフトするいわゆるリバランス戦略を進めている。しかし中国は旧ソ連とは異なり、完全な敵対国ではなく、米国は交渉相手と見なしている。中東問題に距離を置くことを決めた米国にとって、軍事力をアジアにシフトしたとしても、従来の軍事力は持て余すことになる。国民の関心が経済に集中していることもこの動きを後押ししている。

 またこうした政治的な背景とは別に、軍事面でのハイテク化が急激なスピードで進んでいるという事情もある。本来、大量の兵員を必要とする地上部隊も、最近はITの進歩でネットワーク化され、同じ作戦をより少ない人数で実施できるようになっている。
 また無人機(ドローン)が急激な勢いで普及してきており、従来型の偵察機や攻撃機が必要なくなってきている。米ソ冷戦時代に偵察機として大活躍したU-2や、地上攻撃機のA-10といった旧式の装備は順次退役させていく。さらに米軍は歩兵のロボット化を進めていく方針であり、最終的には地上兵力の大規模な削減につながっていく可能性が高い。
 仮に今回の軍縮プランがなくても、兵員の大幅削減を進めていくのが世界的なトレンドになっているのだ。

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