ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

日銀と政府の不毛な緩和論争の背後で、市場は動き始めている?

 

 日銀は30日、金融政策決定会合を開催し、国債などを買い入れる基金を11兆円増額し91兆円とするなどの追加緩和策を決定した。

 緩和策の内容は、ほぼ事前に予想された通りの保守的な内容であり、特に大きな驚きはなかった。緩和策の発表後、一部には「市場には失望感が広がった」などのコメントも見られたが、為替市場が一時的に円高に振れてしまったことへの後講釈に過ぎない。

 日銀は基本的に緩和策を拡大したくない意向であり、今後も政治的圧力に対応する形で、緩和策を小出しにしていく可能性が高い。

 これまでは、日銀の消極的姿勢が円高を招く原因だとして、日銀に対する政治圧力が強まっていたわけだが、足元の為替市場では状況が大きく変わりつつある。長年続いた円高の長期トレンドに変化が見え始めているのだ。一部のヘッジファンドなどでは「円安に向けたポジションを組み始めている」(為替トレーダー)という。

 政府と日銀で無益な論争をしている間に、市場が変化しているかもしれないのだ。

 もし本格的に円安に転じる兆しが見えているのだとすると、その理由は金融緩和ではなくズバリ「日本の衰退」。製造業の国際競争力低下によって、貿易赤字が完全に定着しており、改善する気配は見えない。さらに巨額の財政赤字が重くのしかかっており、国債の下落リスクが高まっている。

 このような国家の衰退を背景に本格的な通貨安が進み始めると、中央銀行の緩和策や為替介入などはまったく効果がない。まさに歯止めがかからない円安の恐怖が近づいているかもしれないのだ。
 もし本格的な円安になれば、ガソリン代や食費が高騰し、生活は一気に苦しくなる。デフレ、デフレと騒いでいた時代な懐かしく感じられることになるだろう。

 長期的な視点に立てば、現在の日銀の怠慢などどうでもよいことなのかもしれない。

 - 政治, 経済

  関連記事

yamasita
CDはボロボロ、ダウンロード販売も激減。音楽業界はもはやシニア向けビジネス?

 CDの販売不振で苦しめられてきた音楽業界がさらに苦境に立たされている。頼みの綱 …

ippankyosho
オバマ政権の関心は経済しかない。一般教書演説から占う米中関係と日米関係

 米国のオバマ大統領は2014年1月28日、米議会において一般教書演説を行った。 …

pekindaigaku
中国で大学入学試験が終了。だが無事入学、卒業しても厳しい就職難が待ち受けている

 受験競争が激しい中国では、大学の入学試験は一大イベントとなっている。6月8日に …

abe201407
安倍政権が内閣改造へ。背景にあるのは来年の解散総選挙?

 安倍首相が内閣改造を実施する方針を固めた。集団的自衛権行使容認に関連する法整備 …

keidanren
経団連会長をOBから起用。影響力低下と人材不足が著しい経団連の実情

 経団連は、6月に退任する予定の米倉弘昌会長の後任に、東レ会長の榊原定征氏を起用 …

ecb201506
ドイツと米国の金利が急上昇。金利正常化プロセスなのか市場の混乱か?

 このところ各国の金利が急上昇している。4月中旬にはゼロ%まで近づいたドイツの長 …

goan
欧州で自動車メーカーが軒並みリストラ。欧州危機は一段落だが、実需はボロボロ

  フ ランスの自動車大手ルノーは、2016年までに仏国内の従業員の約17%にあ …

nvidiaceo
ハードはタダの箱になる。世界的家電見本市CESで一気に主役交代の流れ

 世界最大の家電見本市「CES」が2016年1月6日から8日にかけて米ラスベガス …

kokintou
中国共産党大会が無事に開幕。今後の胡錦濤氏の立場はある程度担保された

 相次ぐ権力闘争で日程が延期され、クーデター発生説まで取りざたされた中国の政権交 …

amari
政府が正式にTPP交渉参加を表明へ。だが交渉は大詰めで時すでに遅しか?

 安倍首相は3月15日に、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加を正式 …