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政府が対日投資拡大を議論する有識者会議をスタート。最大の課題は?

 

 政府は2014年2月27日、海外から国内への直接投資を拡大させるための具体策を話し会う有識者懇談会を開催した。日本の投資環境などについて議論し、政府が6月にまとめる経済財政運営の基本方針に盛り込む予定。

tokyofukei001 政府は海外の優れた人材や技術を日本に呼び込むため、2020年までに日本に対する直接投資(対内直接投資)を現在の2倍である35兆円まで増やすという目標を掲げている。
 懇談会では、投資環境の問題などについて議論するとともに、外国企業からヒアリングを行って提言をまとめる予定。第1回目の昨日の会合では、雇用の流動性や法人税率引き下げについて意見が出た。

 日本の市場を外国に対してオープンにすることは、規制緩和とほぼ同義であることから、保護産業などを中心に慎重な声が大きい。だが今の日本が置かれた状況を考えると、対内直接投資の拡大策は必須の政策と考えられる。

 現在、日本企業は製造業だけでなく内需企業も海外進出の必要に迫られている。縮小が続く国内市場だけでは成長が見込めないからである。日本が途上国だった時代は、安くてよい製品を大量生産すれば諸外国が買ってくれた。だが日本は成熟国になり、世界経済もグローバル化が進んだ。製造業はもちろん非製造業も国内だけにとどまっていてはビジネスができない状況にある。トヨタが世界屈指のメーカーでいられるのは、生産と販売の過半数を海外で行っているからだ。

 企業の海外進出と、海外からの資金受け入れは一見無関係に見えるがそうではない。企業の海外進出と、その国の海外からの投資受け入れには実は明確な相関がある。海外への直接投資が活発な国は、海外からの直接投資受け入れも積極的なのである。

 例えば米国は、外国に対して4兆4500億ドル(約450兆円)の直接投資を行っているが、一方で2兆6000億ドルの直接投資を外国から受け入れてい る。同様に英国は1兆8100億ドルに対して1兆2700億ドル、ドイツは1兆5400億ドルに対して1兆ドルと、いずれも自身が外国に投資する金額の3 分の2程度の金額を自身も受け入れている。日本の対外直接投資残高は90兆円と経済規模に比して少ないが、自身が受け入れている金額はさらに少なく、わずか18兆円しかない。

 資金の受け入れが活発な国が対外進出も活発である理由は明確である。国内市場に様々な資本が入り、厳しい競争環境で鍛えられてこそ、グローバルな市場に打って出るスキルが身に付つくのである。日本企業が海外に進出したいのであれば、まずは自分自身も海外から投資を受け入れる必要がある。

 直接投資の増加策としては法人税の減税が議論されているがこれは本質ではない。米国はもっとも法人税が高い部類に入るが、世界で最も多くの資金を受け入れている。
 外国資本が嫌うのは税率ではなく、総合的なコストの高さ、市場の閉鎖性・特殊性、政府による規制といった問題である。この部分に手を付けず、ただ法人税を減税しただけでは、大きな効果は得られない可能性が高い。

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