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自治体の国保窓口業務の民間委託がスタート。本当にコストは削減できるのか?

 

 東京都の足立区は、全国で初めて2015年から国民健康保険の管理・運営業務について民間委託を開始する。窓口業務も職員ではなく、委託された民間企業の社員が対応することになる。大田区など他の自治体でも外部委託の準備を進めており、今後この動きが加速する可能性が高い。民間のノウハウを取り入れ、コスト削減と業務効率化を目指すとしているが、本当にコストが削減されるのか疑問視する声もある。

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 足立区では、これまで国民健康保険の管理・運営業務は区の職員が担当してきた。2015年からは入札で決まった民間事業者に委託することになる。民間に委託すれば業務が効率化され、コストが削減できる見込みということなのだが、実際にそうなるのかは微妙な状況だ。

 公的業務の民間委託としては、法務局の窓口業務の民間委託などいくつか例がある。だが法務省の場合、そもそも職員は窓口業務を行っておらず、法務省からの天下り団体に高いコストで業務を委託していたという事情があった。窓口業務は小泉構造改革のひとつである市場化テストの対象となり、人材派遣会社への切り替えが進められた。

 法務省のケースでは、もともと公務員が当該業務を実施していなかったという点に議論の余地があるが、コストの削減は実現できている。だが今回のケースはもともと公務員が担当していた業務を民間に委託するものであり、その分、公務員を解雇するわけではない。新規採用の抑制など、長期間ではコスト削減は可能かもしれないが、経費削減は一定の仮定に基づいたものになる可能性が高い。

 また外部委託する業務はある程度の知識が必要となるため、ノウハウ蓄積という観点から受託する事業者はあまり多くない方がよい。だが入札の公平性という観点からすると新規事業者の参入が多い方が談合などが起こりにくく、健全な調達が可能となる。業務の信頼性と入札の公平性のバランスを保つというなかななか難しい作業が自治体に課されることになる。

 定型業務など、コスト削減が見込める分野については、外部委託を進めるというのが現在の流れであり、こうした試みそれ自体については評価してよいだろう。だが職員がやりたくない仕事を外注化する、あるいは現在、勤務している公務員の特権を維持するために、外部委託を進めるというのでは本末転倒である。外部委託の経費削減効果は本当にどの程度なのか、新しい利権が生じる可能性はないのかなど、地域住民はしっかりとチェックしていく必要がありそうだ。

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