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各国がビットコイン規制を検討中。だがそれはタテマエかもしれない

 

 仮想通貨ビットコインの主要取引所マウンドゴックスが破綻したことを受けて、日本政府はビットコインについて取引ルールを導入することを決定した。また米当局もビットコインの規制のあり方について模索していると米経済誌が報道している。米当局は、表面上はビットコイン問題への言及を避けているが、FRBや財務省、連邦取引委員会などがそれぞれ独自に規制が可能か検討しているという。

bitcoin ビットコインの問題は通貨発行権という国家にとって極めて微妙な問題が関係していることから、すべてがオープンに議論されるわけではない。
 確認が取れない話なのであくまで想像に過ぎないが、米国や英国のような国は、ビットコインを規制するスタンスを取りつつ、一方ではその活動を支援し、自国の利益のために利用する可能性がある。日本は米英がそういった行動に出てくる可能性があることを十分認識しておく必要がある。

 国内では麻生財務大臣が「破綻すると思っていた」と発言したことからも分かるように、基本的には否定的なスタンスである。新しく導入される取引指針では、ビットコインを「通貨」とは認定せず「モノ」として取り扱い、金融機関での取り扱いを禁止する。また貴金属と同様、売買益は課税対象とする方針だ。国内世論も危険なものであるとして、原則排除を求める声が大きいようである。各国も表向きはビットコインについて懸念を表明している。
 だが国際金融の世界では、本音と建て前は別という常識がある。これはビットコインにも十分あてはまる可能性がある。各国の否定的な見解をそのままストレートに解釈するのは危険である。単純に危ないから規制せよ、という流れでは国益を損ねてしまうこともあるのだ。

 ビットコインは通貨として非常によく出来たシステムとなっている。「採掘」という労力をかけないと通貨が発行できないようになっており(一種の金本位制)、通貨価値を担保する仕組みが内在している。また、それぞれの通貨にはすべての取引履歴が蓄積されるので、実は取引に透明性がある。当局の管理下にないという意味では不透明なのかもしれないが、通貨そのものとしては偽造もできず、むしろ安全といってよい(通貨発行量の上限など様々な問題はあるが・・・)。今回の事件は取引所が強盗に遭ったということであり、通貨そのものの問題ではない。

 逆に言えば、米NSA(米国家安全保障局)のような情報当局にとってこれほど格好の追跡対象はない。見かけ上、国家の管理を受けないので、マネーロンダリングや闇取引に使われる可能性が高いが、これをトラッキングできれば、その実態を米国だけが把握することができる。さらには今回の取引所事件のように、ハッキングして相手の資産を一瞬で消すことも可能になる。

 そもそもタックスヘイブン(租税回避地)も、英国が自国の利益のために植民地を使って開設したのが、そもそものきっかけである。闇資金も含めて世界中から資金を集められるし、そうしたウラの情報も一手に握ることができる。米国がタックスヘイブンに対して厳しいスタンスだったのは、それが英国の利権だったからであり、決して正義感からではない。

 ビットコインは「ナカモトサトシ」という日本人が開発したことになっており(真偽の程は不明)、最大の取引所が日本にあるなど、日本との縁が深い。日本の規制当局が否定的な見解を示す一方で、ウラで情報収集や支援をしているのであれば、それはそれで非常に頼もしいことである。だが十中八九そうではないだろう。
 今後ビットコインがどのような展開を見せるのかは不明だが、もし国際金融システムの中で一定の地位を確保するようであれば、米国の側面支援を疑った方がよいだろう。

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