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2月の米雇用統計で失業率は悪化したのに、市場が高く評価した理由

 

 米労働省は2014年3月7日、2月の雇用統計を発表した。非農業部門の新規雇用者数の増加は17万5000人と先月(12万9000人)より大幅に増加し、市場予想である15万人を上回った。一方、失業率は0.1ポイント悪化し6.7%になった。

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 だが市場では今回の雇用統計はかなりポジティブに評価されている。大寒波の影響で、新規雇用者数の減少が懸念されていたにもかかわらず、思いのほか、雇用者数が増加していたからである。だが市場がポジティブに評価しているのは、むしろ失業率の悪化の方である。

 失業率が悪化しているのに、なぜ市場が評価するのかというと、それは失業率統計のルールにちょっとしたカラクリがあるからである。
 失業率は失業者の数を労働人口で割って求められるのだが、ここで問題となるのが失業者の定義である。失業者とは現在仕事をしておらず、求職活動中の人を指す。もし仕事が見つからなくて職探しを諦めてしまうと、それは失業者にカウントされなってしまう。

 このため、職探しを諦めてしまった人が増えてしまうと、見かけ上失業率が改善するという状況が発生してしまう。米国はこのところ失業率の改善傾向が顕著となっていた。米国経済が回復していることが最大の理由ではあるが、職探しを諦めた人が増えたこともその要因の一つといわれていた。
 古いスキルしかもたず、労働市場から締め出される人が増えてくると、階層の固定化につながりかねず、一部の専門家はこれを懸念していた。

 2月の雇用統計で失業率が悪化したのは、仕事が減ったからではなく、職探しをする人が増えたことが原因である。本気で職探しをする人が増えたということは、米国の労働市場の雰囲気がかなり改善してきたことを示している。
 歴史的な寒波の影響で小売店などの新規雇用は減っているが、比較的暖かい地域の観光業などでは雇用が大幅に増加している。春になって寒波の影響がなくなれば、雇用者数の伸びはさらに増加すると予測する専門家は多い。

 FRB(連邦準備制度理事会)による量的緩和策はすでに縮小が始まっている。うまくいけば、今年から米国は完全に自立的な経済回復トレンドに乗ることができるかもしれない。

 今回の雇用統計の結果は為替にも微妙な影響を与えつつある。ドル円は、ドル高ポジションが積み上がっていることから、短期的には円高への揺り戻しがあると考える市場参加者が多かった。だが米国経済が予想以上に強いということになると、このまま円安が続くと見る参加者も増えてくる。為替の見通しはむしろ不透明になったといえるだろう。

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