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佐村河内氏のゴースト問題がホリエモンに飛び火。出版業界は戦々恐々!

 

 聴覚障害を持つ作曲家として知られていた佐村河内守氏によるゴーストライター問題が出版業界に飛び火している。

gosuto 漫画家の佐藤秀峰氏が、ホリエモンこと堀江貴文氏の小説がゴーストライターによって書かれているとブログで発言したことで、賛否両論が飛び交う事態となった。佐村河内氏の場合はゴーストの存在というよりも、聴覚障害に関する真偽など別の問題の方が大きかったが、ホリエモンの場合はゴーストの存在そのものが問題視されている。
 出版業界では、著名人の書籍をゴーストライターが書くというスタイルが常態化しており、これを見直すとなると事業に相当の影響が生じる。ネット上の議論に戦々恐々としているという状況だ。

 佐藤氏は、著名な漫画家で、堀江氏の小説「拝金」の表紙イラストを手掛けている。佐藤氏は、堀江氏が実際には書いていないことを知っていながら自身が表紙を引き受けたことについて、読者に対して不誠実であったと告白している。

 出版業界では著名人の本をゴーストライターが書くことは当たり前のことになっている。単行本の執筆にはかなりの時間と労力が必要となるため、多忙な著名人が単行本をゆっくり執筆することは現実的に難しい。また初心者が書いた文章は見るに堪えないレベルであることも多く、そのままでは商品にならないという問題もある。

 ゴーストライターを起用することで、本来であれば本を書く余裕がない著名人の考えを広く読者が知ることができるし、商品として相応のクオリティも担保できる。本人への取材をもとに、ゴーストライターが代筆するのであれば、社会的に許容されると出版業界では考えてきたわけである。
 評論家など書くことを専門とする人は別として、著名人による書籍の8割~9割がゴーストライターの手によって書かれていると考えられる。古くは歌手の松本伊代氏が、自叙伝の出版についてコメントを求められ「まだ読んでいないので分かりません」と答えた話は有名だ。

 出版と同様、音楽業界も同じような状況だ。1990年代、一世を風靡したある大手レーベルでは、架空のアーティストを設定して売り出していたともいわれている。実在のシンガーソングライターであっても実際には別の人物が詩や曲を書くケースは多数存在している。
 本人に作曲能力がないというケースもあるが、販売戦略上、企業タイアップなどで一度に大量の楽曲を用意するケースがあり、こうなってしまうと、アーティスト1人ではとても対応できないのが現実である。

 ただこうした業界慣行が、本当にすべての顧客に受け入れられていたのかは定かではない。コンテンツと作者を切り離し、ひとつの作品として楽しんでいた人はあまりこれを問題視していないと考えられる。だがコンテンツを購入する人はそのような人ばかりではない。作者本人に惚れ込んでコンテンツを購入する人も多数存在しており、そのような人の中には裏切られたと感じる人もいるだろう。
 最近こうした問題が顕在化しているのは、やはりネットの普及でコンテンツ購入者の声を直接目にする機会が増えたことが多いに関係していると考えられる。

 ゴーストライターのシステムはなくっていくのか、何らかのエクスキューズを表記することで維持していくのか、それとも批判とは関係なく同じ慣行を続けていくのか、出版業界の対応が注目されている。

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