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三木谷氏率いる新経連の動きが活発に。しかし早くも「老人化」の雰囲気がチラホラ

 

 楽天の三木谷社長率いる新しい経済団体である新経連が動きを活発化させている。2014年4月に開催を予定している経済フォーラムには、世界のベンチャー企業の著名経営者が多数呼ばれており、内向き志向になっていると揶揄される今の日本社会においては一種、異様な雰囲気すら醸し出している。

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 経団連を筆頭とする「古い世代」の財界人は、三木谷氏が何をしようとしているのか、その真意を測りかねている状況だ。
 一方、フォーラムの顔ぶれをよく見ると、2000年前後のITバブル時代の雰囲気が色濃く残っており、少々時代遅れになっている感も否めない。旧世代の人たちからの警戒感とは別に、現在の若手経営者層との乖離もうかがわせる。

 新経連が企画しているのは「新経済サミット2014」と呼ばれるイベント。新経連は昨年も同様のイベントを行っており、そこでの議論をもとに、政府に対して「イノベーションに関する緊急提言」を提出している。提言には、起業家を賞賛する社会の実現や、ベンチャー投資を促す税制、グローバルな人材育成、徹底した規制改革などが盛り込まれていた。
 今年は昨年のイベントをさらに拡大させたものを計画しているのだが、ゲストとして呼ばれたスピーカーの顔ぶれに驚いた人も多い。オラクル創業者でカリスマ経営者として知られるラリー・エリソン氏やヤフー創業者のジェリー・ヤン氏など、世界的に著名な起業家がズラッと並んでいたからである。

 その数は総勢40名近くにのぼり、しかもそのほとんどが外国人である。日本人はLINEの森川社長やグリーの田中社長などごくわずかだ。
 だがこのそうそうたる顔ぶれの中にも、多少の「時代」を感じた人も少なくない。エリソン氏やヤン氏は、2000年前後であればまさにスーパースターだったかもしれないが、今となっては「過去の人」になりつつある。Dropbox創業者など「今」の人も呼ばれているが、全体としてはやはり15年前の雰囲気だ。
 モデレータとして参加する日本人も、iモード立役者の夏野剛氏やライフネット生命COOの岩瀬大輔氏、ボストンコンサルティングの御立尚資氏など、著名人が揃っているが、少々微妙な布陣といえる。

 現在、日本のベンチャー・ビジネスの最先端では、少額・小規模のビジネスが主流となっており、以前とはだいぶ雰囲気が異なっている。2000年前後の起業家は、自由な企業活動の邪魔ばかりする日本社会に対して憤っており、良くも悪くもそれを改革しようという熱意を持っていた。
 だが、現在の若年層起業家は、そのような環境を所与のものとして扱う傾向が強く、規制緩和に対する意識も異なっている可能性が高い。また世間一般でのイメージとは異なり、実際にはグローバルに活動する若者がそれほど減っているわけではない。だが、彼等の意識はコスモポリタン的であり、その熱意が規制改革などに向かわない可能性もある。

 三木谷氏は典型的な2000年前後の起業家であり、今回の経済フォーラムにもその傾向が色濃く反映されている。これまでは経団連を中心に既得権益を死守しようとする旧世代の経済界と、規制緩和を推進するネット時代の経済界という対立図式であった。
 だが、ここ15年で日本社会には目立った変化はなく、後ろ向きな社会風土を所与の条件として受け入れる新生代が登場している。新経連はもしかすると、上下に挟まれたサンドイッチとしての立ち位置になっているのかもしれない。もしそうなのだとすると、新経連が広く国民の世論を喚起し、その政治的目的を達成していくことは容易ではないかもしれない。

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