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茂木健一郎氏のツイッター発言で偏差値論争が再燃。日本人が偏差値大好きな理由とは?

 

 脳科学者の茂木健一郎氏がツイッター上で、学力偏差値とそれを公表している大学受験予備校について名指しで批判したことで、偏差値論争が再燃している。

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 茂木氏は2014年3月8日、ツイッターで予備校が公表する「学力偏差値」を批判し、「お前らが勝手に計算している偏差値とかやらで、どれだけ多くの18歳が傷ついていると思っているんだ、このクソ野郎どもが」と罵倒した。かなり過激な発言だったことから、ネット上では大きな波紋を呼ぶ結果となった。
 茂木氏はその後、「偏差値入試批判は、学力軽視ではない。画一的なペーパーテストで学力を見ることが、多様化した現代の学力観にそぐわないという趣旨である」などと、いくつかの補足ツイートを投稿している。

 日本人は偏差値問題が「大好き」である。偏差値に関する論争は高度成長時代からずっと続いているものであり、今回の論争も従来の焼き直しにすぎない。
 論点もまったく変わっていない。偏差値に批判的な人は、今も昔も、画一的なペーパー試験だけで評価していては本当に優秀な人材は選抜できないというスタンスに立っており、偏差値に肯定的な人は、諸外国のように、学力に加えて面接やエッセー、受賞歴などを総合的に評価するやり方は、恣意的な結果になりやすく客観的ではないという立場に立っている。
 要するに人に選抜されることに強いアレルギーを感じている人が多く、それが日本人の偏差値志向の源泉となっているのだ。
 また長年、ペーパー試験選抜を続けてきたことから、成績上位者の社会的地位は一種の既得権益となっている。ペーパー試験重視がなくなると、現在の地位を失う人も出てくる可能性があり、一部の人がそれに固執しているという面もあるだろう。偏差値に批判的な論者の中には茂木氏のように社会的に成功しており、そのようなものに頼らなくてもよい「強者」であることが多いのも事実である。

 高度成長期の日本は偏差値教育が批判されながらも、そのシステムが揺らぐことは決してなかった。だが最近は、AO入試に始まり、東大の推薦入試開始など、選抜システムの変更が進み始めている。これは日本社会が変化に追いつけず、方向性を見失っていることと深く関係しているだろう。
 人が人を選抜すれば、恣意性は入ってくる可能性はあるものの、社会の変化には即座に対応できる。ペーパー試験だけで選ぶということになると、変化への対応はどうしても遅れることになる。

 茂木氏のツイートと同時期、ネットでは米グーグルの社員選抜基準についても話題になっていた。米紙のインタビューに答えたグーグルの人事責任者によれば、現在のグーグルにおける採用基準では大学を卒業していることはそれほど重要視されておらず、非大卒社員は14%に達しているという。
 同社が必要としている能力は、高度な認識能力や協調性を伴ったリーダーシップ、知的謙虚さなどであるという。協調性を伴ったリーダーシップや知的謙虚さなどを重視しているということは、新しい知見に対する柔軟な姿勢を重視していることをうかがわせる。

 もっともグーグルほどの会社であれば、世界から頭脳が集まってくる状況であり、学歴など取るに足りない問題なのかもしれない。そのまま日本に応用することは難しいかもしれないが、変化のスピードが激しい現代においては、参考とすべき点は多いと考えられる。

 ちなみに米国では今月、日本の大学入試センター試験に相当する試験の一つである、SATの改革が発表された(米国では大学入試の共通ペーパー試験は単一ではなく複数存在している)。より深く分析し、問題を絞り込む能力を重視するように内容が変更されている。例文の中から引用して解答理由を説明させたり、文脈によって意味が変わる単語を重視し、総合的な文章の読解力などを問うような内容になっているという。

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