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理研がSTAP細胞論文に関する中間報告を発表。研究の本質部分は結論先送り

 

 理化学研究所は2014年3月14日、新しい万能細胞である「STAP細胞」に関する論文に疑義が生じている件について記者会見を行い、調査の中間報告について説明した。

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 同研究所の小保方晴子氏らを中心とする研究チームは、これまで多大な労力をかけなければ作成することができなかった万能細胞を、酸に浸すだけで作成する事に成功したとして、英科学誌ネイチャーに論文発表を行っていた。
 ノーベル賞級の画期的な研究であるとして世界中の注目を集めていたが、論文のデータや写真などに関する疑問が指摘されており、理化学研究所が調査を行っていた。

 調査対象となったのは全部で6点あり、うち2点についてはデータの扱いに不適切な点はあったが、不正ではないと判断した。残る4点については継続調査が必要としている。

 特に、得られた細胞がSTAP細胞であることのひとつの証拠になる電気泳動の画像については、STAP細胞のものとされる部分の画像が、何らかの理由で差し替えられていることが判明している。これが、結果を見やすくするための操作だったのか、捏造のための差し替えだったのかよって、STAP細胞の存在そのものに対する解釈も変わってくる可能性がある。
 小保方氏をはじめとする研究チームの論文作成に対する姿勢など倫理的な側面は別にして、画期的な研究成果なのかという点については、結論が持ち越しになった。理化学研究所では論文の取り下げも視野に入れるとしているが、最終的な取り扱いについては言及を避けている。

 ただ見方を変えるとSTAP細胞の存在が完全に否定されたわけではなく、この研究で遅れを取っていた他国の研究チームにとっては、千載一遇のチャンスとなるかもしれない。小保方氏らが論文を取り下げ、再度実験や論文作成を行っている間に、追試に成功するチームが現れれば、ノーベル賞級の成果が転がり込んでくることになる。

 理由はともかく、現時点において画像の差し替えや取り違えがあったことは事実であることから、管理がずさんであった小保方氏らの姿勢を批判するのはたやすい。だが、これまでもデータの取り扱いが杜撰な研究者や捏造を平気で行う研究者はたくさん存在してきた。
 研究者のパーソナリティと科学的成果は切り離して考えるべきものであり、ここで重要となるのはSTAP細胞が本当に実現できるかどうかという点である。まずはその部分について、なるだけ早く検証作業を行うことが、社会にとってもっとも有益と考える。

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