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安倍政権が河野談話を巡り迷走。欧州最強国家となったドイツとの違いは歴然

 

 安倍首相は2014年3月14日、従軍慰安婦の強制について認めた1993年のいわゆる「河野談話」について、見直しを行わない方針であることを明らかにした。日韓関係の悪化を懸念する米国政府への配慮に加え、このままでは日韓首脳会談をいつまでたっても実現できないという危機感が背景にあると考えられる。

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 日本政府は河野談話という形で従軍慰安婦に一部強制された面があったことを認めている。安倍首相は河野談話の見直しを明言し、強制連行を直接示すような証拠はなかったとする閣議決定を行った。
 だが今回、河野談話の見直しは行わないことを表明してしまったことで、この問題は結局、当初の状態に逆戻りしてしまったわけである。

 日米関係を重視する人たちからは安堵の声が聞こえてくる。歴史認識問題は、日韓関係ではなく日米関係がその本質と考えているからである。一方、中韓、あるいは米国に反発する人たちからは、日本が圧力に屈したとして批判する声も聞こえてくる。

 一部では、河野談話は閣議決定ではない、あるいは安倍政権では河野談話の内容について引き続き検証を行うので問題はないという見解も見られるが、これらの議論は些末なものにすぎない。対外的には、韓国と米国に妥協し、前言を撤回としたと解釈されることになるだろう。
 日米関係、日韓関係重視の立場に立てば、最初から見直しなど言及しなければよかったということになるし、反対の立場に立てば安易な妥協をしたという解釈になる。いずれにせよ、方針をコロコロと変えた安倍政権の行動は、日本にとってあまり利益をもたらさなかっと考えるべきである。

 戦後処理という点では、このところドイツと日本の立場の違いが、以前にも増して鮮明になってきている。ドイツは連合国側の主張をすべて受け入れ(それがどんなに不条理な内容であっても)、ナチスにすべての責任を押し付けて戦後処理を行った。
 連合国側の主張をすべて認めてしまったため、各国はドイツをそれ以上追求することはできず、ドイツは事実上の免責を得ることができた。ドイツは徹底したグローバル主義の経済政策を掲げ、その圧倒的な経済力を背景に、現在では欧州最強レベルの軍事力を持つ大国に成長した。ロシアのウクライナ介入問題において軍事的な面でカギを握るのは英国でもフランスでもなくドイツである。

 日本とドイツは置かれている環境が違うので単純な比較はできないが、同じ敗戦国である日本は、今でも戦後処理問題が尾を引き、周辺諸国から常に圧力をかけられる状態が続いている。
 日本がバブル崩壊後、グローバル化に対応できず景気低迷を続ける間に、日本以外の先進諸外国はGDPの規模を2倍に増やしている。日本の防衛費はGDPの1%程度だが、日本がドイツのようにグローバル経済に対応できていれば、黙っていても日本の防衛費は現在の2倍になっており、中国への影響力は現在とは比較にならなかったはずだ。

 外交は結局のところゲームである。強気の発言をしたかと思えば、撤回するといった一貫しない行動は、心理面での弱さを露呈するだけだ。今回の行為ひとつで何か致命的な損失になるわけではないが、こうした行動の積み重ねは、ボディーブローのように効いてくることになる。

 相手国の不条理な要求を受け入れるフリをして結果的にすべての条件を骨抜きにし、最強国家を作り上げたドイツ。一方、不条理な話の受け入れをめぐって精神的に納得できず方向が定まらない日本。どちらが国益を確保しているのだろうか?もちろんそれを判断するのは国民自身である。

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