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安倍政権が集団的自衛権に関する憲法解釈見直しを、昨年に引き続いて先送り

 

 集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の見直しについて、安倍政権が今国会中の閣議決定を見送る公算が高まってきた。憲法解釈の見直しに慎重姿勢の公明党に配慮したというのが表向きの理由だが、実際には与党内部からの不協和音が大きいことが原因と考えられる。

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 安倍政権では、集団的自衛権の行使を可能とするための憲法解釈について、今国会中に閣議決定する方針を掲げてきた。だが複数の報道によると、今国会中での閣議決定を見送る方向で調整が進んでいるという。
 このところ永田町では、公明党に配慮するというフレーズは、自民党内に不協和音が生じていることのサインと理解されることが多い。
 安倍政権は完全に官邸主導の政権運営であり、党内からの意見をあまり集約していない。官邸主導の決定に党内から不満が噴出し、軌道修正を迫られた時には、公明党に配慮したというフレーズを使うと何かと便利なのである。

 今回の憲法解釈見直しについては、旧宏池会を中心とする党内リベラル派からの反発が強いといわれている。宏池会は、池田勇人元首相を起源とする派閥で、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一といった各総理大臣を輩出している。現在は岸田派がその後継派閥となっており、現在の安倍政権では、岸田外務大臣、小野寺防衛大臣、林農林水産大臣などが同じ派閥に属している。また派閥は離脱したが、谷垣法務大臣も宏池会出身である。

 宏池会は、自民党最大派閥であった経世会と組み、主流派を形成することが多かったが、思想的には党内で最もリベラルといわれる。ただ現実問題としては、現在の安倍外交を支える外務大臣と防衛大臣が同派閥出身者であり、派閥として強固な政治理念があるわけではない。党内の意見を集約しない官邸に対するアンチテーゼとして、宏池会というカンバンが使われている側面が強い。
 このほか、憲法解釈の見直しは憲法改正の必要性を失わせるとして危機感を募らせている保守系議員や参議院の幹部なども官邸の動きを牽制する発言を行っている。

 つまり思想信条に関係なく、官邸の動きにクギを指しているわけであり、その背景には、通常国会終了後に予定されている内閣改造に向けた駆け引きがあると考えてよいだろう。ただ政界は一寸先は闇である。こうした動きが、倒閣運動にまで発展しないという保証はない。

 安倍氏は、あれほど熱意を持っていた集団的自衛権の行使容認について、昨年に引き続いて2度も先送りしたことになる。官邸が、以前のような主導権を確保するのが難しくなっているということだけは間違いないようだ。

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