殺人エレベータ?シンドラー社製でまた死亡事故。前回の教訓で社長はとりあえず謝った
金沢市の「アパホテル金沢駅前」で31日午後、エレベーターに挟まれてパート清掃員が死亡する事故が発生した。
事故を起こしたエレベータは「シンドラーエレベータ」社製で、同社製のエレベータは2006年に東京都内のマンションでも扉が開いたまま動作し、高校2年生の男子生徒(当時16歳)が死亡する事故を起こしている。
国土交通省は2006年の事故をうけて建築基準法施行令を改正し、2009年9月から事故を防ぐための保護装置の設置を義務付けている。だが今回事故を起こしたエレベータは1998年1月に同ホテルに設置されたもので、保護装置は取り付けられていなかった(ただ、監視装置は設置していたとしている)。
シンドラー社はスイスに本社のあるエレベータ・メーカー。2006年の事故発生時には、住民への説明会社や記者発表を頑なに拒み続けた。ようやく謝罪会見を行ったものの、ケン・スミス社長(当時)は会見で頭を下げず、大きな批判を浴びた。
欧米には一旦謝罪したらすべての責任を認めることになるという概念があり、企業トップはそうそう簡単には謝罪しないのが普通。日本でも公務員は不祥事があっても決して謝罪などしない。だが大手マスコミは役所には弱腰だが、このような攻撃しやすい民間企業にはヒステリックに批判をする。シンドラー社はその格好の餌食になってしまった格好だ。
今回はその教訓が生かされているのか、同社のフィリップ・ブーエ社長はすぐに記者会見を開き、頭を下げて謝罪した。詳しい原因はまだ明らかではないが、とりあえず同社では全国の同社製エレベーター約5500台を緊急点検するとしている。
すぐに頭を下げたことが功を奏するのか、今後の展開が注目される。
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