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携帯基地局の裁判で住民が敗訴。日本人は目に見えないものが苦手なようで・・

 

 携帯電話の基地局が発する電波の有害性について、日本でも次第に取り上げられるようになってきた。

 宮崎県延岡市大貫町の住民が、基地局の電磁波による健康被害を受けたとしてKDDIの操業停止を求めていた裁判で、宮崎地裁延岡支部は10月17日、健康被害と基地局の因果関係を否定し原告側の請求を棄却した。
 裁判の結果は、予想通り住民の訴えを退けるものであったが、具体的な「健康被害の訴え」を争点にした裁判は全国で初めてであり、大きな注目を浴びた。

 行政のスタンスは当然のことながら通信事業者べったりで住民の安全を保護する気はまったくない。また多くの国民も、電波の健康被害については「まゆつば」ものとして捉えているようだ。確かに被害を訴える人のごく一部に、ヒステリックな反応をする人がいることから、それも致し方ないのかもしれない。

 だが通信関連の技術に携わる人の中では、電磁波による健康障害は「常識」である。かなり昔から、諸外国ではレーダー施設やTV局の送信アンテナの近くに住む住民には流産などの被害が多いことが知られている。また同じように電磁波を発する電子レンジも危険なものとして認識されている。欧州では携帯電話基地局の電波は、日本よりも10倍以上も厳しく制限されている。

 ところが日本人は「目に見えないモノ」が苦手で、どこかの工事現場の柵が壊れているとヒステリックに批判するが、電磁波の危険性には関心が向かないらしい。この性格が見事に反映されたのが福島原発による放射能汚染問題である。

 あれだけ大量の放射能が環境にばら撒かれたのに、政府はもちろん国民の多くも見て見ぬフリをしている。放射能に対する無関心は今に始まったことではない。
 飛行機に乗れば大量に被曝することなど昔から知られていたことだし、CTスキャンや胃のレントゲン検査ではさらに大量の放射線を浴びることも科学的常識である。レントゲンの放射能の影響でガンになっている人は何万人もいるが、ガンの早期発見のメリットが全体として上回るので、許容されているだけだ。飛行機も同様である。
 だがそのリスクを認識している人がどれだけいるだろうか?

 放射線にはいろいろな種類があるが、主要な放射線の一つであるガンマ線はまさに電磁波。携帯の電波よりも周波数が高くエネルギーも高いが同じ電磁波である。危険度が高い放射線ですらあれだけ無関心なのだから、携帯の電波に関心があるわけがない。

 だが携帯や基地局からは、強い出力の電磁波が放射されていることは事実である。すべてを危険視してヒステリーになる必要はないが、危険性と社会での利便性をどこまでバランスさせるのか、科学的な議論が必要なのはいうまでもない。

 基地局の電波に不安を覚える人は、今のところ引っ越すなどの自衛手段を取るしかない。日本は昔から、国民の健康よりも業者の利権が優先される国なのだ。
 石綿は確実にガンを誘発することが分かっていながら、国はあえて対策を取っていなかった。最近話題の子宮頸がんワクチンも、高いリスクが存在することは科学的常識である。
  このままでは、携帯電話に人知れず殺される人も出てくるかもしれない。本人は知らないのだから幸せかもしれないが・・・。

 - 政治, 社会

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