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2月の貿易収支は先月の反動で改善。今後の焦点は日本人の購買力

 

 財務省は2014年3月19日、2月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8003億円の赤字となった。2兆7900億円という巨額赤字だった1月と比べると赤字幅は縮小したが、1月は特殊要因であったことを考えると、慢性的な貿易赤字が定着して以降の平均的な水準に戻ったと理解すべきだろう。

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 輸出額は5兆8000億円となり、5兆2500億円だった先月よりも多少増加した。一方、輸入は6兆6000億円となり、8兆円を超えていた先月よりも大幅に減少している。輸入が減ったことで貿易赤字も大幅に減少する結果となった。
 先月は、消費増税前の駆け込み需要に対応するため、日本企業が一気に輸入量を増やしたことが輸入増大の原因といわれている。もしそれが事実なら、1月の水準は特殊要因ということになる。実際、1月はあらゆる品目でまんべんなく輸入が増えており、特定品目による影響ではないことをうかがわせる。

 2月はその反動で輸入は大きく減ったが、季節調整済みのデータを見ると、減少幅はそれほどでもない。貿易赤字が定着して以降の平均的な水準に戻ったというのが実際のところである。
 日本が構造的、かつ慢性的な貿易赤字体質になっていることは間違いないが、今後も持続的に赤字幅が拡大するのかというと必ずしもそうとは言い切れない。

 日本は円安によって輸入物価が上昇しており、これが他の品目にも波及している。日本経済は確かにデフレを脱却したが、それは持続的な内需拡大によるものではなく、輸入価格の上昇によるインフレという側面が強い。加工貿易上必要な品目や、国産ではコストが高すぎる品目については、今後も輸入が拡大する可能性が高いが、そうでない品目については、インフレによる日本人の購買力低下によって輸入が減少する可能性もある。

 景気対策を打ち出さなければ増税により景気の落ち込みが激しくなるが、輸入の拡大には多少、歯止めがかけられるかもしれない。だが景気対策として量的緩和策の拡大が実施されれば、再び円安が進行し、輸入の拡大が進むことになる。ここまで極端ではないにせよ、今後の貿易赤字については、消費増税後の景気動向に左右される部分がより大きくなってくるだろう。

 重要なことは収支が赤字か黒字化ではなく、貿易をうまく経済成長に結びつけられるかである。赤字が増えたということは、海外から調達した方が有利な品目が増えたということであり、それに合わせた経済成長モデルが必要となる。
 増税による景気の落ち込みで一時的に輸入が減少するようなことがあっても、それは特段、プラスに評価すべきことではない。

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