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ローソンのトップに玉塚氏が就任。ユニクロでの屈辱をリベンジできるか?

 

 ローソンは2014年3月24日の取締役会において、玉塚元一最高執行責任者(COO)の社長兼最高経営責任者(CEO)就任を決定する。現CEOの新浪剛史氏は代表権のある会長に就任する。

 新浪氏は三菱商事からローソンに転じ、2002年からCEOを務めている。2010年に玉塚氏をCEO含みでスカウトし、コンビニ事業の責任者に据えることでCEO就任の準備を進めてきた。玉塚氏はそれに応え、自ら総合店長としてCMに出演するなど、汗をかく仕事をしてきたといわれる(写真)。今後は玉塚氏が新浪氏に代わって、陣頭指揮を執ることになる。

tamatsuka

 玉塚氏は実は、経営トップとして大きな挫折を経験している。玉塚氏はかつて、ユニクロを展開するファーストリテイリングの社長に就任したものの、創業者であり、カリスマ・トップでもある柳井正氏から事実上、解任されてしまった過去があるのだ。

 玉塚氏は玉塚証券(現新光証券)の創業者一族に生まれ、慶応幼稚舎からの慶応ボーイ。大学ではラグビー部に所属し、レギュラーポジションを獲得した。卒業後は旭硝子に就職、米国の大学でMBAを取得後、コンサルタントとして日本IBMに転じたという、コテコテのいわゆるデキるビジネスマンである。

 IBM在籍中に仕事を通じてファーストリテイリングの柳井氏と知り合い、同社に入社することになる。2002年には代表取締役COOに就任したが、調整型といわれる玉塚氏のマネジメントに対して、トップダウン型の急成長を求める柳井氏の不満が爆発。就任わずか3年で事実上の解任となってしまった。

 その後、コンサルタントなどを経て、新浪氏の誘いでローソンに転じることになった。新浪氏と玉塚氏は同じ慶応卒で米国MBAを持つなどウマが合うといわれている。新浪氏の知名度は高いが、三菱商事出身のサラリーマンであり、基本的な立ち居振る舞いは玉塚氏と共通している。
 新浪氏がしばらくの間、うまく玉塚氏をサポートすれば、玉塚体制への移行は比較的スムーズにいくと見る関係者は多い。

 懸念材料があるとすると、新浪氏の今後の身の振り方である。新浪氏は安倍政権の産業競争力会議のメンバーになるなど財界活動に忙しい。産業競争力会議では、賃上げを求める安倍政権の意向に真っ先に賛同を表明するなど、政権に対して相当の自己アピールをしている。東京都知事選に推す声が出るなど、新浪氏には政界転身の噂が常に絶えない。場合によっては急遽ローソンを離れる可能性もあると考えた方がよいだろう。

 前回は柳井氏という天才カリスマ経営者に翻弄されたが、今回も前回ほどではないにせよ、今後の展開が前任者次第という図式は変わらない。だがラグビーで鍛えた玉塚氏には、人の何倍もの耐える力があるはずだ。デキるビジネスマンだった玉塚氏が、ホンモノの経営者として名を残すことができるのか、まさに正念場といえるだろう。

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