ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

TPPはオバマ大統領来日が妥結タイミング?決裂の場合、その先の対策が必要

 

 シンガポールで開催されたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の閣僚会合が物別れに終わったことから、日米間での協議が継続している。今のところ両者の溝はまったく埋まっていないが、4月のオバマ大統領の来日が最終的な交渉期限となる可能性が高まってきた。

abeamari02

 TPP交渉では、いくつかのテーマで利害関係の調整が行われているが、交渉の最大のポイントは突出した経済規模を持つ日本と米国がどのように折り合いを付けられるかという点に集約される。
 日本はコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖をいわゆる「重要5項目」とし、関税撤廃の例外にしたい方針である。だが、米国は、原則としてすべての分野における関税撤廃を要求しており、同じく農作物に強いニュージーランドや自由貿易主義のシンガポールなどがこれに同調している。

 基本的に双方に目立った妥協ポイントはなく、どちらかが折れるしかない状況である。
 米国のフロマン通商代表は「4月下旬に予定されているオバマ大統領の日本訪問までに合意するために、高い目標を引き下げるべきではない」と発言しており、安易に妥協しないという姿勢を明確にしている。一方、安倍首相は「早期妥結はわが国の国益」と述べており、基本的に早い段階での妥結を目指す姿勢である。このままいくと日本が折れる形で交渉がまとまる可能性が高くなってくる。

 ただ国内にはTPPの締結に反対する声も根強く、安易に妥協すれば、政権にとってダメージになる可能性もある。国内世論を考慮し、今回も日本側が妥協しない可能性も残されている。

 今回、オバマ大統領の来日に合わせて合意に至るのかは今のところ何ともいえない。米国もあくまで合意を前提としており、ポーズとして妥協しない姿勢を示しているに過ぎないという見方もある。
 だが、日本が今回も譲歩しないという決断をする場合には、そろそろ次のフェーズの戦略を考えておく必要が出てくるだろう。TPPに日本が参加しない場合には、中国のTPP加盟が一気に現実化してくる可能性が高いからだ。

 現在、米国と中国は、包括的な経済・金融交渉を行っている最中である。その中には、将来的な中国のTPP参加が視野に入っている。中国がTPPに参加するということになると、日本はアジア太平地域の統一経済圏の中で孤立することになる。それはそれでひとつの戦略ではあるが、最悪なのは、中国のTPP加盟を目の前にして焦り、後になって悪条件でTPPに加盟するという事態である。

 もし今回、合意を断念するのであれば、日本抜きでTPPが進み、将来的に中国がTPPに加盟するという事態を想定しておく必要がある。そのような状態になっても日本はまったく動じずにやっていくだけの覚悟と具体的なプランがあれば何も問題はない。だが現実的には有効なプランが出てくる可能性は低いだろう。

 - 政治

  関連記事

caperay
シリア化学兵器の最終処理は何と洋上。川崎重工製の輸送船がプラントに早変わり

 シリアの化学兵器引き渡しに関する最終期限が迫っている。国際機関はシリアからすみ …

jinminkaihogun01
中国の武器輸出が急増。中国軍の質的能力向上のサインか?

 スウェーデンのシンクタンク・ストックホルム国際平和研究所は2015年3月16日 …

wakamono02
若者は1社での終身雇用を強く望んでいる。白書が示す若者の意識と政策のミスマッチ

 日本の雇用政策は、ライフスタイルや価値観の多様化に合わせて、柔軟な雇用形態を選 …

staba
スタバも中国市場だけは別扱い。米国は中国に甘いという現実を見よ

 尖閣諸島問題で中国とギクシャクする日本を尻目に、米国企業が中国に猛烈な攻勢をか …

streetlive
大阪で路上ライブ合法化の動き。だが区役所職員がアーティストを「認定」って・・・・

 大阪の自治体では、合法的に路上ライブをできるスペースをアーティストに提供し、こ …

baku
中国人作家のノーベル文学賞受賞は、いわゆるバーター取引

 スウェーデン・アカデミーは11日、中国の作家、莫言氏にノーベル文学賞を授与する …

cyprus03
キプロス支援策は大口預金者のみの負担で何とか決着。だが金融立国継続は絶望的?

 欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領とキプロスのアナスタシアディス大統領との …

myanmer02
民主化に逆行?ミャンマーで仏教徒女性の異教徒との結婚を制限する法案が波紋を呼ぶ

 民主化と経済開放が続くミャンマーで、議会に提出が予定されているある法案をめぐっ …

tu-95
ロシア軍機がグアム上空を威嚇飛行。これは尖閣問題と完全にリンクしている

 米太平洋軍は、ロシア空軍の航空機がグアム島近辺の上空を旋回し、米軍のF-15戦 …

zaiseishuusi
骨太の方針に歳出上限を盛り込まない公算。市場はこれをどう受け止めるか?

 政府は今月末に経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の閣議決定を予定しているが、 …