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米当局がビットコインを事実上公認。日本は巨額の富を失ったかもしれない

 

 米内国歳入庁(IRS)は2014年3月25日、仮想通貨ビットコインに関する税務指針を公表した。基本的に株や債券と同様の商品とみなし、譲渡益に課税する。ビットコインの金融商品的な位置付けが明確になり、ビットコインは事実上、米国政府から公認された。

bitcoin

  日本政府は、ビットコインは通貨でも金融商品でもなくモノであるとして、いち早くビットコインの存在を否定してしまったが、欧米各国ではビットコインの扱いをめぐってかなり具体的な検討が続けられてきた。
 英国歳入庁は2014年3月3日、ビットコインについてはモノとして扱わず、付加価値税の対象としない方針を明らかにした。また米ニューヨーク州の金融サービス局も、ビットコインを仮想通貨として認め、当局の監督下で運営する公認取引所の開設を検討すると発表している。

 今回の米IRSの指針は、米ドルと同様の通貨としては認定していないものの、金融商品であることが明確になった。
 税務上はビットコインは資産として認定され、売却益が出た場合には課税対象となる。またビットコインの「採掘」作業で得た収益には通常の事業収益と同様、税金が課せられる。また家賃や賃金などをビットコインで支払ったり、逆に対価として受け取ったり場合には、IRSに報告する必要がある。

 金融商品と見なされたことで、ビットコインは今後、米当局の監督下で取り扱いが行われることになる。ビットコインの透明性は一気に向上することになるだろう。
 また金融商品として位置付ける一方、家賃の支払いなどを想定していることを考えると、決済通貨と見なしていると解釈することもできる。この措置については、近い将来、ビットコインを正式な通貨として認定するための布石との見方もある。

 日本では国家が発行したものでなければ通貨ではないという意識が強いが、必ずしもそうではない。通貨は多くの人が通貨として認めれば通貨として流通する性質を持っている。日本円が通貨として信用されているのは、日本政府(厳密には日銀)が発行しているからではなく、日本政府を多くの人が信用しているからで ある。

 米当局が事実上ビットコインを公認したことで、各国のビットコインは米国市場を中心に回り始める可能性が高くなってきた。ビットコイ ンの公認取引所は米国に集中することになり、米国はここから多くの収益を得ることができるだろう。
 日本市場を中心に発達したてきたビットコインだが、日本の取引所での事故をきかっけに、米国へとその活動拠点が移ることになる。もしかすると日本は巨額の富を失ったかもしれない。

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