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中国が安心して「日本はドイツに見習え」と主張できるようになった理由

 

 中国の習近平国家主席が、ドイツ訪問をきっかけに「日本はドイツを見習え」という趣旨の対日批判を強めている。背景にあるのは、もはや日本はドイツにはなることはないという中国側の安心感である。中国が日本に対してより優位に立ったと認識し始めている可能性がある。

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 習氏は2014年3月28日、ベルリンでの演説において「今年は第2次世界大戦開戦75周年となる。過去のことを忘れず、後々の戒めとする必要がある」「列強の武力による奴隷化・植民地化という悲劇を二度と繰り返すわけにはいかない」と述べた。さらに日本軍による南京大虐殺などについても言及し、メディア各紙もこれに準じた報道を行っている。

 第二次世界大戦中の行為について、ドイツは連合国側の主張をすべて受け入れ、責任はナチスにあるとして、自らこれを断罪した。
 連合国側の主張はかなり不条理なものであったが、ドイツはこれをすべて認めてしまった。このため、各国はドイツをそれ以上追求することはできず、ドイツは事実上の免責を得ることができた。ドイツは徹底したグ ローバル主義の経済政策を掲げ、その圧倒的な経済力を背景に、現在では欧州最強レベルの軍事力を持つ大国に成長している。

 中国はこれを賛美し、日本と比較した上で批判しているわけだが、日本がドイツのようになって困るのは実際には中国の方である。だが中国が安心してこれを主張できるのは、日本はもはやドイツになることはないと認識し始めているからである。

 中国はかつて、日本のドイツ化を本気で恐れていた。日本が連合国側の主張をすべて受け入れ、謝罪してしまうと、日本の軍備拡張を批判したり、歴史認識を盾に日本を牽制することができなくなってしまうからだ。毛沢東時代や鄧小平時代における硬軟両様の対日戦略の背後にはこうした「恐怖感」が存在していた。
 だが日本が取った行動はこれと正反対であった。連合国側の不条理な歴史観に納得できず、これに反発する発言を繰り返し、中国側を喜ばせてきた。特に安倍政権では、河野談話を見直すと表明したにも関わらず、日韓首脳会談の開催を優先させるためにこれを撤回してしまうなど、迷走ぶりが目立つ。こうした一連の言動がなければ、日本はとっくの昔に再軍備を達成していただろう。

 中国は、日本がドイツのように名を捨て実を取り、軍事大国に成長するという選択はもはや不可能と認識し始めている。中国は安心して日本に対して「ドイツを見習え」と主張できるようになったのである。軍事的優位を望む中国にとってこれほど理想的な環境はない。韓国の朴槿恵大統領も、最近同様の趣旨の発言を行っている。

 国内では「日本とドイツは立場が異なる」など、習氏や朴氏の発言を批判する声が上がっている。だがこうした動きは、さらに中国を利することになる可能性が高い。ドイツと日本とでは立場が違うという日本側の主張を連合国側が聞き入れるつもりはまったくないからである。これは是非の問題ではなく、外交という冷酷なゲームの問題である。
 オバマ大統領が「安倍首相はなぜ中国の利益になる発言ばかりするのか」と発言したと一部報道で伝えられている。真偽の程は不明だが、発言の内容そのものは正しい。中国の軍事的な覇権拡大における最大の功労者はもしかすると安倍首相なのかもしれないのだ。

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