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勉強はできるが、ITはまるでダメ。OECDの調査結果が示す日本人の課題

 

 頭はいいはずなのに、日本はなぜか世界で勝負できない。多くの人が漠然と抱いているこうしたイメージを裏付ける調査結果がOECD(経済協力開発機構)から発表された。日本人は高い学習能力を持っているにも関わらず、ITを使いこなせていないという実態が明らかになった。

itskills 世界の15歳を対象にした学習到達度調査おいて、日本は問題解決能力の分野でシンガポール、韓国に次いで3位となった。昨年12月に公表されている読解力や科学的応用力でも4位となっており、基本的に学力が高いことが証明された。

 もっとも、同調査での成績は2003年に急落、2006年の調査では過去最低(数学的応用力10位、読解力15位など)になったという経緯がある。国内では学力低下を危惧する声が上がり、いわゆるゆとり教育の見直しが始まった。ゆとり見直しの成果かどうかは不明だが、現在、順位は持ち直した状況にある。

 これほど日本人が優秀なのであれば、日本企業は現在でも世界で突出した競争力を持っていておかしくないが、なぜか現実は異なる。日本は世界で勝負できなくなっているという印象を持つ人は多いはずだ。
 この疑問に対するヒントになりそうなのが、ITに関する調査項目である。自宅や学校において問題解決にコンピュータを活用する割合が日本は突出して低いのだ。特に自宅でコンピュータを使う人の割合はOECD加盟国では下から2番目。日本より下には、ツイッターの使用を政府が遮断しているトルコしかいない。勉強はできるが、スムーズにITを使いこなせない頭でっかちな子供がイメージされる結果だ。

 実は、似たような調査結果がもう一つOECDから出ている。成人を対象にしたスキル調査において、日本は「読解力」と「数的思考力」で1位となったが、ITを活用した問題解決能力」は10位と大きく順位を下げる結果となっている。ビジネスの世界でも、ITスキルが足を引っ張る構造が明確になっている。
 ITの登場によって「知」の構造は大きく変化した。かつて、暗記することは非常に重要な課題だったが、現代では、基本的な情報はすべてネット上で公開されている。これらをうまく組み合わせ、新しい価値を生み出すことに知的作業の重心は移っている。

 日本人全般がコンピュータを使う割合が少ないのだとすると、同じ問題を解決するのに多大な時間をかけているか、既存の知識のみを使った問題解決を行っている可能性が高い。日本のホワイトカラーの生産性が、他国よりも著しく低いこととも、この結果と関係している可能性が高い。

 - 社会, 経済, IT・科学 , ,

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