ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

企業による物価見通しは1.5%の上昇。給料アップが追い付かないのは確実

 

 日銀は2014年4月2日に発表した企業短期経済観測調査(短観)の中で、企業の物価見通しを初めて公表した。全規模全産業による1年後の物価見通しは平均で前年比1.5%の上昇だった。日銀が目標とする2%には達しないものの、物価上昇を予想する企業が多いことが明らかとなった。

bukkajoushou

 日銀は、今回の短観から、企業の物価見通しを新たに調査項目として追加。約1万社に対して、消費者物価指数の見通しを尋ねた。
 このうち1%上昇と答えた企業の割合は29%、2%と回答した企業が19%あった。約半数の企業が1%から2%程度の物価上昇を見込んでいる。一方0%と回答した企業が17%あり、物価に対して慎重な見方が多いことも分かった。

 こうした物価見通しが、量的緩和策による期待インフレなのか、円安による輸入価格上昇の影響によるものなのかについては議論が分かれるところである。ただ、慎重な見方をする企業が多いことを考えると、円安の影響と考えている割合が高そうである。

 これは賃上げの状況にも反映されている。連合は今回の春闘で2%以上の賃上げを実現したとしている。しかし、連合は基本的に大企業中心の組織であり、中小企業には労働組合が存在していないところも多い。
 資本金10億円以上の大企業の多くは、2012年から2013年にかけてすでに賃金を上げており、今回の春闘はその延長線上にある。一方、資本金1000万円から2000万円の中小企業は、昨年は軒並み賃下げとなっており、今回の春闘で直ちに賃上げに転じたとは考えにくい。全体を平均すると昨年は賃下げであり、今回、仮に賃上げとなっても、上昇率は1%を切っているだろう。

 2月の消費者物価指数はコア指数が前年同月比でプラス1.3%となっている。1.5%という企業の見通しが正しいのだとすると、約2年間で物価は2.8%も上昇することになる。
 これに対して賃金は昨年が賃下げだったことを考えると、実質的に伸びはゼロである。消費税の増税も合わせると、国民が実感する購買力の低下は6%近くに達することになる。

 経済が持続的な成長フェーズに入り、毎年、賃上げが実施されるようにならないと、生活実感としては豊かにはならない。こうした状況になるまでには、まだかなりの時間がかかるだろう。

 - 経済 , ,

  関連記事

niinami
ローソン新浪氏を社長に招聘したサントリー。長年の「迷い」を断ち切ることができるのか?

 サントリーホールディングスは、ローソン会長の新浪剛史氏を10月1日付けで社長に …

boingkoujo
中国へのプレゼント? 習主席訪米を前にボーイングが工程の一部を中国に移管

 米航空機大手ボーイングは、製造の最終工程を中国に移管することを検討している。同 …

nihonyusei
海外M&Aに失敗した日本郵政が今度は野村不動産の買収に乗り出す

 日本郵政が野村不動産の買収に乗り出す。同社はオーストラリアの物流会社を買収した …

moribuild
これが本当の「森ビル」だ!ミラノで全面緑化ビルが完成したが、その前途は多難?

 イタリアのミラノで建設が進められていた全面緑化型の高層ビル2棟がこのほど完成し …

googlewalmart
とうとうウォルマートとグーグルが提携に乗り出す。アマゾンの牙城は崩れるか?

 超巨大スーパーである米ウォルマートとIT業界の巨人であるグーグルが提携する。こ …

kindorupaper
いよいよキンドルが日本上陸。自費出版サービスもスタートし、出版社は戦々恐々

 アマゾンがとうとう電子書籍端末「キンドル」を国内で販売開始する。同社の日本法人 …

matsuishouken
松井証券がとうとう金利も手数料もゼロ円という自爆価格を設定。どうやって儲けるの?

 信用取引に関する来年1月の規制緩和をうけて、ネット証券業界では自爆テロともいえ …

presskiki
企業はまだまだ設備投資に慎重。アベノミクスも最後は米国頼み?

 昨年末から円安と株高が進み、国内の景気見通しも徐々に改善してきているが、企業は …

infure
輸入インフレの足音が聞こえる。政府は必死に企業に賃上げを要請しているが・・・

 円安が進展する中、これまで続いてきたデフレ傾向が一部でプラス転換する傾向が見え …

rodman02
金正恩氏とバスケ観戦をしたロッドマン元選手の前にコカコーラが置いてあったワケ

 北朝鮮の金正恩第1書記は28日、平壌市内の体育館において、北朝鮮を訪問中の全米 …