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エネルギー基本計画が閣議決定へ。各方面の要望をテンコ盛りでボヤける全体像

 

 自民・公明両党は、国のエネルギー政策の中長期的な指針となる「エネルギー基本計画」について、政府案を一部修正する形で合意した。原発の再稼働を進める方針を明記する一方、再生可能エネルギーについても、従来を上回る水準の導入を目指すとした。ただ、再生可能エネルギーについては数値目標の導入は見送られた。

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 エネルギー基本計画は2014年2月に政府案がまとまり、与党内での調整が続いていた。原発については、政府案の通り「重要なベースロード電源」と位置付け、再稼働を進める方針を明確にした。原発ゼロ政策は完全に見直されることになった。
 一方、公明党が強く求めていた、再生可能エネルギーの数値目標については見送られた。ただ、2030年に全体の2割という数字は参考値として盛り込まれ、それ以上の水準を目指すということで合意した。
 再生可能エネルギーはコストが高く政府の補助がないと事業として成立しない。一種の政治利権でもあり、具体的な数値が盛り込まれるかどうかは、関連事業者にとっては死活問題となる。数値目標ではないものの、具体的な数値が示されたことで、再生可能エネルギー事業には弾みがつくことになるだろう。

 また原発問題の隠れた懸案事項であった核燃料サイクルについては、中核となる高速増殖炉「もんじゅ」について、放射性廃棄物を減らすための研究機関として当面活用を続けることで合意した。政府案では核燃料サイクルの構築について原則として推進するとしており、大きな変更はない見込み。

 結局のところ、原発を再稼働させ、核燃料サイクルも従来通り進めたい原子力業界と経済産業省の意向に加え、政策として再生可能エネルギーを推進したい公明党、さらにはその恩恵を受ける再生エネルギー業界の意向も盛り込んだ形となり、全体として戦略のはっきりしない内容になってしまった。
 
 原発については具体的な数値は盛り込まれていないものの、原発再稼働を実現し、核燃料サイクルも温存した経済産業省と原子力業界が、今後、原発の事業を縮小していくとは考えにくい。また再生可能エネルギー業界も具体的な計画を政府に求めていくことになるだろう。火力や水力といった他のエネルギー源の比率が低下していく形で全体のシェアが決まっていく可能性が高くなってきた。
 自民・公明の修正合意案は、党内手続きを経て11日にも閣議決定される予定。

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