ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

良好な雇用統計にも関わらず、米国株が大幅下落。潮目は変わったのか?

 

 米労働省は2014年4月4日、3月の雇用統計を発表した。非農業部門の新規雇用者数の増加は19万2000人と良好だった。市場予想の20万人にはわずかに届かなかったものの、米国の雇用が順調に回復していることをあらためて認識させた。失業率は6.7%と横ばいだったが、これは求職者の数が増加したことが原因であり、労働市場のマインドが改善している結果と受け止められている。

usakoyoutoukei201403 だが市場の反応はこれと正反対であった。4日のニューヨーク株式市場では、雇用統計の発表を受け、上昇で始まったが徐々に下落。午後には大幅に値を下げて取引を終了した。
 ダウ平均株価は前日比で約160ドル(約1%)下落している。落ち込みがひどいのがNASDAQで2.6%の下落となった。

 4日の株価下落は、投資家がフェイスブックなどのネット銘柄から、マイクロソフトやインテルといったオールドIT銘柄に乗り換えたことが直接的原因といわれており、マクロ的な経済指標を反映したものではない可能性が高い。ただ、こうした動きも含めて、市場の高値警戒感が強まっていると見る関係者も増えてきている。

 もっとも、高値警戒感といっても悲観的な雰囲気はまったくない。米国株はこれまで順調に高値を更新してきたが、米国経済が順調に回復していることは、ほとんどの市場参加者が認めており、中長期的に米国株が下落すると考える人はあまりいないからだ。
 むしろ、株価は景気拡大を先取りし過ぎており、近いうちに一定の調整があるのではないかと多くの投資家が考えている。つまり全員が短期的な下落を絶好の買い場と考えており、そのタイミングを狙っているわけである。
 年明け以降、異常気象やウクライナ問題など、リスク要因が浮上するたびに、今回こそは下落してくれるのではないか?という妙な期待感が生まれていたが、そのたびに投資家は裏切られてきた。

 良好な雇用統計にも関わらず株価が下落したことで、一時的な調整を狙う投資家の期待感が今回も高まってきたわけである。これが本当に相場の転換点となるのかは誰にも分からないが、市場には「押し目待ちに押し目なし」という格言がある。一時的な下落を待っていると買うチャンスをなくしてしまうという意味である。相場というのはなかなか難しいものである。

 - 経済 ,

  関連記事

kokusaishushi201412
円安と直接投資の増加で経常収支が改善。急がれる国内産業構造の転換

 財務省は2015年2月9日、12月の国際収支を発表した。最終的な国の収支を示す …

abemerukeru
安倍首相が独、英に財政出動を働きかけるもゼロ回答。結論はサミットに持ち越し

 安倍首相は2016年5月4日、ドイツを訪問しメルケル首相と首脳会談を行った。最 …

setubitousi
11月の機械受注統計。内需経済の象徴である小売業で増加傾向

 内閣府は2014年1月16日、2013年11月の機械受注統計を発表した。主要指 …

amazonhaisin
海外で音楽聞き放題サービスが急展開。CDが生き残る日本市場は変わるのか?

 一定金額を支払えば音楽が聴き放題になる定額ストリーミング・サービスの動きが活発 …

Warren Buffett
バフェット氏の最新の保有銘柄状況が明らかに。金利上昇と景気拡大にシフト

 米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が、IBMやGM(ゼネラル・モー …

tppatlantagoi
TPP交渉がようやく決着へ。各国の国内事情から実質的には来年以降のスタート

 米アトランタで開催されていたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の閣僚会合が …

nihonen
円高が止まらない。政策の手詰まり状態を市場は見透かしている?

 為替市場で急速な円高が進んでいる。欧州で英国のEU(欧州連合)離脱への警戒感が …

cybermonday
米国経済を占う感謝祭セール。失業率の低下と原油安で出足は絶好調

 米国経済の先行きを占う年末商戦がスタートした。今年の年末商戦は米国景気の回復に …

beikokuoil
米国がとうとう原油の輸出解禁へ。地政学的にも経済的にもインパクトは大きい

 米国のオバマ政権がとうとう米国産原油の輸出規制緩和に乗り出した。米紙ウォールス …

kabuka
金融庁の強い意向で毎月分配型投信の販売が減少。それでも顧客は毎月分配型を望む?

 投資信託の販売が急速に落ち込んでいる。アベノミクスによる株価上昇が一段落したこ …