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気象庁の特別警報を知るきっかけはテレビだけ。告知ルートの偏りが明らかに

 

 気象庁が「特別警報」の認知に関して実施したアンケート調査で興味深い結果が出ている。「特別警報」の存在を知るきっかけになったのは、圧倒的にテレビ経由が多く、新聞やネットなど他の媒体を大きく引き離した。
 情報の告知ルートが大きく偏っていることに加え、特別警報の内容についても、より具体的な情報を求める声が大きいことが明らかとなった。

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 この調査は、2013年8月から始まった気象庁の「特別警報」に関する認知度を知ることを目的に2013年11月に実施したものである。全国の2800人の男女を対象に、インターネットを使って回答を収集した。

 この中で特別警報という言葉を見聞きした媒体についてはテレビが圧倒的に多く91.7%となった。新聞(36%)やラジオ(14.4%)を大きく引き離しており、情報を得る手段としてテレビに大きく偏っていることが分かった。Webサイト(気象庁や自治体を除く)からというのはわずか9.1%であった。
 テレビはすべての世代において90%以上となっており、年齢層の偏りがない。一方、新聞から情報を得たという人は、20代、30代では20%強しかいないが、50代以上になると40%台と年齢が上がるにつれて高くなってくる。
 一方、ツイッターやフェイスブックなどSNSから情報を得たという人は、20代では12.1%だったが、それ以外の世代では4%以下と極めて低い。
 気象庁の特別警報という特殊な内容であるということも影響しているかもしれないが、他の媒体とテレビとの違いが非常に際立つ結果となった。

 特別警報そのものについては、特別警報という言葉を見たこと・聞いたことがあると答えた人の割合は62.3%であった。一方で、このアンケートで初めて知ったという人も37.7%いた。認知が十分だったとはいいにくい。
 また「命を守る行動を取ってください」という、情緒的な呼びかけをすることに対しては、どんな行動をするべきか具体的に呼びかけて欲しいと回答した人が7割を超えた。「命を守る行動を」と呼びかけられても、切迫感は伝わるが、どうしてよいか分からないという人が多いのは事実だろう。

 具体的な行動内容については、場所や状況によって一概には言えないため、気象庁が一斉に出す特別警報にこれを盛り込むことは現実的に困難である可能性が高い。
 だが、そもそも特別警報を出すきっかけになったのは、従来のような雨量データをそのまま提供する警報について、自治体から「雨量の数値を聞いてもどのくらい危険な状態なのか分からない」という指摘が相次いだことがきっかけである。

 2012年の台風12号による豪雨では、場所によっては雨量が数日で2000ミリという前代未聞の量に達していたが、自治体の中にはこれを危険と判断できなかったところがあったという。数日で2000ミリというのは体感上も相当強烈な豪雨であった可能性が高く、本当に危険を認識できなかったのかについては疑問の余地がある。ただ、自治体が独自に判断するシステムが機能しなかったのは事実であり、そうだとすると、具体的な情報が盛り込まれない情緒的な警報だけでは、根本的な問題解決になっていない可能性もある。

 テレビに偏った告知ルートの問題も含め、特別警報にはまだまだ改善点が多そうである。

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