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憲法改正の手続きを定めた国民投票法が審議入り。各党の思惑が絡んで議論は複雑

 

 憲法改正のための具体的な手続きを定めた国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)改正案の審議がとうとう国会で始まった。基本的には国民投票の対象を20歳以上ではなく、18歳以上に引き下げる内容だが、詳細をめぐっては各党の思惑が絡み、複雑な状況となっている。

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 日本国憲法では第96条において、憲法を改正するには「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」と定めている。つまり国会の決議に加えて、国民投票が必要なわけである。
 だが、日本国憲法は硬性憲法といわれ、改正されることがほとんど想定されていなかった。このため、日本には国民投票に関する具体的な法律が存在していない状態が続いてきた。この状況を変える目的で2010年に施行されたのが、国民投票法である。

 だがこの法律ができるまでには、各党の思惑が絡み、紆余曲折があった。公明党などは18歳以上への引き下げを求めていたが、自民党内には慎重な意見も多かった。また民主党が公務員による政治活動を解禁するよう求めており、自民党はこうした声に対しても妥協する必要があった。
 最終的には、年齢を18歳以上とはしたものの、公職選挙法など関連法体系によって選挙権が18歳以上に引き下げられない場合には、国民投票の対象も20歳以上とする付則が設けられることになった。  だがその後、公職選挙法の改正などは行われず、実質的に法律が機能しない状況が続いてきた。今回の改正案はその状況を変えるための取り組みということになる。

 改正案では、まず付則が廃止となり、法律の施行当初は20歳以上、施行から4年後は18歳以上と定められた。つまり4年後には自動的に18歳以上が国民投票の対象となる。このままでは公職選挙法などとの整合性がとれなくなることから、実質的に選挙権についても18歳以上とすることを促す法律といってもよいだろう。

 もうひとつの焦点が公務員による政治活動である。改正案では、これまで政治活動が禁止されていた公務員に対しても組織的に憲法改正の賛否を表明することが認められた。ただ、具体的な内容については継続して協議することになる。

 今回の改正案について反対しているのは、社民党と共産党だけであることから、今国会中に可決・成立する可能性は高い。投票権の18歳以上への引き下げや公務員の政治活動の解禁は、政党間のパワーバランスに微妙な変化を与えることになるかもしれない。

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