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お金持ちで高学歴ほど子供の成績は良いが、この差は勉強時間でカバーできる

 

 文部科学省は、親の年収や学歴が子供の学業成績にどのような影響を及ぼしているのかについて調査を行い、その結果を公表した。
 親の年収が多く、学歴が高い家庭の子供の方が成績が良いという結果が得られたが、家庭での勉強時間や教師による指導が子供の成績に大きく影響していることも分かった。
 おおよそ想像できるような内容だが、家庭環境と成績に関する調査を全国規模で行ったのは実は初めてのことである。教育の機会均等とは何なのか、もっと国民的な議論があってもよいだろう。

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 この調査は2013年4月に実施した全国学力調査の結果と保護者へのアンケート調査の結果を組み合わせたもの。家庭の所得、父親の学歴、母親の学歴の3つを総合したものを「社会経済的背景(SES)」とし、その指標と子供の成績を比較した。2014年3月28日にその結果を公表している。

 結果は明瞭で、小学校、中学校とも、調査対象となったすべての科目において、社会経済的背景が高い家庭の子供の方がテストの結果が上位だった。より小規模で似たような調査は2009年に一度実施されているのだが、その時もほぼ同じような結果が得られている。

 重要なのは親の所得や学歴が高いと、なぜ子供の成績がよいのかという点である。もっとも大きく影響している可能性があるのは勉強時間である。親の所得や学歴が高いほど、子供の勉強時間が長いという特徴が見られる。高所得で高学歴の親は、子供の学業に熱心であり、結果として家での勉強時間が長くなっていることが想像される。

 これは逆に言えば、勉強時間さえ確保できれば、経済的、社会的に不利であってもよい成績を残せることを意味している。年収や学歴がもっとも高いグループで勉強時間がゼロの子供と、もっとも低いグループで3時間以上勉強している子供の成績はほぼ同じである。2番目に高いグループになると、まったく勉強しない子供は、もっとも低いグループで3時間以上勉強する子供に抜かされてしまう。

 年収や学歴が低いグループの中で成績がよい子供には、毎日朝食を食べる、家庭内で学校の成績に関する会話がある、といった特徴が見られる。
 さらに学校によっては、年収や学歴 の低いグループの成績をめざましく向上させているケースもある。こうした学校では、教師が子供に自主学習を推奨している、教師がマメに子供の学習状況 をチェックするなどの特徴が見られたという。

 家庭での学習に学校や教師がどの程度まで関与すべきかなのかについては様々な考え方がある。また家庭環境がよい子供の成績がよいのは当たり前とする雰囲気もあり、家庭環境まで踏み込んだ議論はほとんど行われてこなかった。
 だが、どこまでを機会均等とすべきなのかについては、そう簡単に答がでるものではない。学業成績の向上は生徒本人だけでなく、社会に対しても大きなメリットであることを考えれば、もっと国民的な議論があってよいはずだ。

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